1 この記事の概要について
千葉県外房の川津漁港沖でのイシナギ調査釣行の記事について紹介しています。
今回の釣り場の水深は70m前後で、スルメイカ(デッドベイト)を使用して狙いました。
この釣行では2年連続船宿第1号のイシナギをゲットできました。
2 使用したタックルについて
【泳がせタックル①】
〇 竿:剛樹 スタンディングディープ 195S
〇 リール:シマノ 19ビーストマスター6000
〇 道糸:PE8号600m、リーダー:ナイロン40号
〇 ハリス60号、幹糸60号、親鈎:石鯛鈎20号、孫針:泳がせ鈎30号
〇 錘250号
【泳がせタックル②】
〇 竿:剛樹 スタンディングディープ 195SS
〇 リール:ダイワ シーボーグ800MJS
〇 道糸:PE8号600m、リーダー:ナイロン40号
【イカ釣り(ブランコ用(メイン))】
〇 竿:剛樹 スクイッドロゴス195H(特注仕様)
〇 リール:シマノ ビーストマスター3000EJ
〇 道糸:PE3号 500m
〇 プラスッテ18センチ、ブランコ仕掛け、5本針使用
〇 錘150号~180号
【イカ釣り(直結用)】
〇 竿:剛樹 スクイッドロゴス155H
〇 リール:ダイワ シーボーグ300MJ
〇 道糸:PE3号 400m
3 釣行当日の状況について
今回もイシナギ調査釣行ということで、千葉県、外房の川津漁港からイシナギ釣りで出港する「基吉丸(https://ameblo.jp/genzo23/)」さんにお世話になりました。
こちらの船は毎年5月末頃から8月初旬頃まで、深海魚であるイシナギの産卵に伴う接岸の際に、イシナギ乗り合いを出しています。
船長はイシナギの生態や釣り方を熟知しており、非常に操船も上手く、多くの実績を上げられています。
過去には100キロオーバーの大型も釣れており、近年ではそのような大型の数は減ったそうですが、20キロオーバーのものであれば数多く上がっています。
今回も昨年と同様に、エサのスルメイカを釣って、それからイシナギを釣るという流れでした。
こちらの海域では、イシナギ釣りの制限が10時30分までとなっているので、朝の短時間でエサのスルメイカを確保しなければならないので忙しいところです。
特に、最近はこのエサとなるスルメイカの確保が大変で、全く釣れないこともあるので、そのため保険として事前に皆イカを買ってくるというようになっています。
(デッドベイトのイカは、概ね7ハイあれば釣りとして成立します。(サイズは、胴が約15センチ以下の小型のスルメイカは不可))
今回は、朝4時30分頃に出港し、朝5時過ぎにスルメイカのポイント(水深150~180m)に到着し、始めてみるものの、当たりがあれども足1本のような激渋の状態で、巻き上げの途中で落ちてしまうことが多々ありました。
結局、2時間程粘ったものの、潮が全く動かないこともあり、船中誰も釣れず、サバも多く、おまけにイルカまで現れて非常に悪い状況でした。
生き餌の確保ができなかったため、スーパーで購入したデッドベイトのスルメイカでイシナギを狙うことになり、少し期待薄かなと感じました。
ポイントに到着後、少し潮が流れているので、ひょっとしたらいけるのでは?と思っていると、隣の方に当たりが来ました。
なかなか食い込まず、エサをしゃぶられたような状態で、イシナギの当たりだとはっきりとわかりました。
なお、10キロ以下の小型のイシナギの場合、エサを食うまでに非常に時間がかかることがあり、ばらす可能性もありますが、どこかで掛けにいかなければならない時もあります。
それから数分後、自分の竿先にイシナギ特有の当たりが来て、これは食い込むと思っていたら、案の定、3回目の引き込みで本当たりとなりました。
経験上、15キロを超えた個体の場合、余程活性が低い時以外は、待っていれば確実に食い込んでくれます。
3回目の引き込みの後、すぐにロッドホルダーから竿を外し、すぐに4回程強い合わせを入れました。
やり取りを始めてすぐにイシナギとわかったので、慎重にファイトをし、抵抗はあったものの、5分ぐらいで水面にその魚は浮上してきました。
浮上して来た魚はやはりイシナギで、船宿の今年のイシナギ第1号となりました。
昨年も第1号を取り、今年も第1号を取ることができたので非常に嬉しかったです。
(イシナギの釣果は2年連続船宿トップ)
サイズは、16.5キロの食べ頃サイズの小型でした。
この魚を皮切りに、左舷の胴の間にいた初めてこの釣りに挑戦する方に30キロオーバーが、隣のルアーマンの方に8キロ程の魚が釣れるも、時合がすぐに終わり、結局船中3本で終了しました。
例年、30キロオーバーの魚は開幕当初は混じらないのに、今年は混じっていただけに、例年とは海の状況が異なっているのかなと感じました。
今回はスルメイカが釣れず、恐らくダメだろうなと思っていただけに、釣果があったので非常に良かったです。
しかも、近くのスーパーに持ち込み調理を依頼できるサイズ(25キロ未満)だったので、安心しました。(それ以上のサイズは、持って帰っても捌くスペースがないためいつも船長に進呈しています。)
今回の釣行で昨年から研究している状況に応じたイシナギの仕掛けについて、ほぼ完成したので、今年はそれらについて実釣で検証予定です。
今年も船宿で1番釣果を上げて、3年連続トップを取るとともに、今年こそは100キロ超のイシナギを釣りたいと思います。
4 勝浦沖のイシナギ釣りのポイントについて(概要)
外房勝浦沖のイシナギ釣り方のポイントについて紹介します。
この釣りは、他の釣りのタックルが流用できると思われがちですが、ご当地の釣り場の特性、仕掛けの特徴等により、かなりタックル選定や釣り方がシビアです。
なお、1年に1回、釣れている時しか来ないのに、イシナギについて語っている人もいますが、そのような人の説明は、的を外れているのであまり参考にしない方が良いです。
〇 竿の選定について
よくキハダ釣りの竿で十分という人がいますが、ご当地では錘250号を使うため、キハダ釣りで使う竿では、どうしてもオーバースペックになり、曲がり過ぎてしまい、合わせや当たりを取るのに影響があります。
特に、最近思うのが、ミヨシの方が釣れると思っている人が多く(私がいつもミヨシでイシナギを釣っているため)、短い竿を使ってミヨシで釣ろうとする人が多いということです。
このイシナギ釣りでは、ミヨシで釣る場合、よほどの凪の時以外、1.7m前後の短い竿では、うねりで竿先が大きく上下(ミヨシの場合、海面から必然的に高くなるため)することにより、仕掛けが動きすぎ、イシナギを警戒させ、食い込まないような状況が多発します。
そのため、私は、1年程検証をした後、2m程の長さの長い竿を使い、かつ250号を使用しても若干先調子を保つことができるような道具を選定しました。(250号を使用して7:3の調子を保てる竿が理想(剛樹のスタンディングディープ195S))
キハダ釣りで使う竿や泳がせ釣りで150号が最適とする竿を流用する人については、下手にミヨシに行くよりも、胴の間で釣る方がイシナギのキャッチ率が上がります。(ミヨシは時化ると非常に釣り辛いし、おススメはしません。)
大時化の場合は、250号を使用して調子が6:4になるぐらいの竿がお勧めです。(剛樹のスタンディングディープ195SS等)
〇 リールの選定について
基本的に各メーカーの大物泳がせで使用するような、シマノであれば6000番以上、ダイワであれば800番以上がおススメです。
最近はライトタックルということで、ダイワの500番サイズのリールで挑戦しようとする人がいますが、1度や2度釣れたとしても結局その内に故障が生じて修理費用が高くつくことになります。
〇 道糸の太さについて
最近では、20キロ前後が釣れることが多いので、ほぼ新品のPE8号を使用していますが、慣れない内はPE10号がお勧めです。
PE12号以上の太い糸になると潮の影響を受けるため、若干食いが悪くなるのでおススメしません。(PE15号を試しに使用したこともありましたが、ダメでした。)
〇 仕掛けについて
過去の記事を参照してください。下記にリンクを載せます。
https://tyokinbako9901.jp/archives/1070 →細部仕掛け等の説明を載せています。
https://tyokinbako9901.jp/archives/1091 →本文中で仕掛け等の説明を入れています。
〇 釣り方について
この釣りは、ロッドホルダーに竿を固定して、マメに棚を取る釣りです。
底から3~4mを頻繁に取り直すことにより、エサをフォールでイシナギに見せるとともに、常にイシナギの目の前にエサを置いてやるようなイメージです。
特に、勝浦のイシナギ釣りでは、底が非常に起伏に富んでおり、根掛かりしやすいため、最大でも1分程で底を取り直すようにした方が根掛かりは少なくなります。
(根掛かりした際には、棒状のラインブレーカーは必須です。)
釣り方で棚取りの他に重要なものとしては、合わせです。
よくイシナギをばらす人は、合わせが早いことが多いです。
また、最近では動画等でよく見ますが、最初から手持ちで合わせを入れると、ほぼ100%に近い確率でバレます。(イシナギの引きに耐えられず、ストレートポンピングみたいに合わせると間違いなくバレます。)
ロッドホルダーに竿を固定して、本当たりが来て合わせる理由については、ロッドホルダーに竿を固定することにより、イシナギの硬い口周りに針をてこの原理を利用して掛けることができるからと考えています。
(針先を硬い口周りに引っ掛けて、その後の追い合わせで貫通させるイメージ)
そのため、泳がせ針のようなストレートな掛けるタイプの形状の針を仕掛けに使い、クエ鈎のような若干ネムリが入った針を使わない理由がここにあります。
なお、勝浦沖では、イカエサをメインに使用するため、クエ鈎のようなネムリ鈎を使うようなエサ(サバ等)はあまり使用しません。(例外的にアジを使用する場合はありますが)
イシナギに対して何度も強力な合わせが必要なのは、いくらてこの原理を利用して掛けても、食い込みが悪い時など、針先のみが掛かっていることもあり、深く食い込ませるためです。
この合わせの際に重要なのが、前述した竿の調子で、あまり曲がり過ぎる竿だと、竿が合わせる際の力を吸収してしまい、合わせが効かず、結局針が貫通せずにバレてしまいます。(極端に竿が柔らかいと経験上イシナギが違和感を感じてエサを途中で放すことも多いです。)
釣り方の結論としては、マメな棚取りとロッドホルダーに竿を固定して、しっかりと本当たりで何度も合わせを入れることが大切です。