1. この記事の概要について
  2. レバーブレーキのスピニングタイラバは、タイラバの新釣法となり得るか?
  3. レバーブレーキのスピニングタイラバのメリットとは?
  4. レバーブレーキのスピニングタイラバのデメリットとは?
  5. レバーブレーキのスピニングタイラバにはどんなタックルが必要か?
  6. 実釣に基づく実績について
  7. 終わりに

1 この記事の概要について

この記事は、レバーブレーキを使用したスピニングタイラバの特徴(メリット、デメリット)等について紹介しています。

実際に自分がこの釣り方を全国各地で試した経験に基づいて記事を書いています。

なお、この記事の内容は、以前にソルトワールドさんの誌面やレジャーフィッシングさんの釣りぽ(https://tsuripo.com/)で紹介した内容と一部重複します。

2 レバーブレーキのスピニングタイラバは、タイラバの新釣法となり得るか?

 まず結論から紹介します。

 新釣法となり得る可能性はあります。

 ただし、下記に示すメリット、デメリットがあります。

3 レバーブレーキのスピニングタイラバのメリットとは?

 まず、この釣り方は、私が15年ほど前から取り組んでいるバーティカルのスピニングタイラバのメリットとデメリットが関係するので、こちらを述べさせてもらいます。

【バーティカルのスピニングタイラバのメリット】

一般的に言われているのはフォールが速い、キャストができるという点などです。

【バーティカルのスピニングタイラバのデメリット】

デメリットは、底取がわかりにくく根掛かりしやすい、そして底取がわかりにくいため魚に見切られやすいということです。

上記のメリットとデメリットを踏まえて、レバーブレーキのスピニングタイラバのメリットについて紹介していきます。

【レバーブレーキのスピニングタイラバのメリット①】

レバーブレーキ搭載のスピニングのメリットはスプール交換が磯用リールと同じくワンタッチでできること(事前にドラグ設定を終わらせていればすぐに使える状態になる。

【レバーブレーキのスピニングタイラバのメリット②】

従来のスピニングタックルに比べ、レバーブレーキを使用してのテンションフォールにより着底の際の底取が良くなる。(感覚的に、最大でベイトの場合の7割程のやりやすさ(個人の感覚))

【レバーブレーキのスピニングタイラバのメリット③】

従来のスピニングタイラバと同様に、パラシュートアンカー使用時の時など釣り座の不利がある際にキャストして着底場所をずらすことができる。

これにより、すれていないフレッシュな個体を狙い撃つことが可能

4 レバーブレーキのスピニングタイラバのデメリットとは?

【レバーブレーキのスピニングタイラバのデメリット①】

値段=性能であるため、始めるにあたり非常に初期投資がかかるということです。(安いLBリールは、フォール時の回転が安定しないため)

【レバーブレーキのスピニングタイラバのデメリット②】

シングルハンドルでは安定したフォールの演出が不可能。

そのため、見切られることが多い。

【レバーブレーキのスピニングタイラバのデメリット③】

レバーブレーキの耐久性能が低いため、1年程で故障する可能性がある。(メーカーは耐久性能を実施していないため(メーカーの担当者に確認済み))

上記の理由について、下記で述べます。

これは、私のリールが1年程使用してオーバーホールに出した際、レバーブレーキが壊れていた時の一連のやり取りなどをまとめています。

メーカーから届いて久しぶりの釣行時にレバーブレーキの切り替えをしてフォールで魚を狙っていると、元に戻した際にストッパーが機能しませんでした。

その後、上手く噛み合わせるように、レバーを調整して逆転防止機構を働かせるようにできたものの、不安で再度メーカーに提出しました。

その際、メーカーの当初の言い分

メーカー担当者「普通の使い方で壊れることがない、爪で弾いたりしない限りは。どんな使い方をしたのですか?」

「使用用途は、タイラバです。レバーブレーキを使用して、クロソイや真鯛などをバーティカルのスピニングタイラバで釣っていました。切り替え回数は、計算して凡そ4万回程だと思います。数は1000匹以上は優に釣っていると思います。」

「逆に、御社はレバーフォールという釣法を動画サイトでアップしているのに、同じ構造を持つ鏡牙でそのような回数を重ねるテストをしなかったのですか?」

メーカー担当者「開発スタッフにも確認しますので、折り返しお電話します。」

メーカー担当者「開発スタッフにも確認しましたが、そのような耐久性能までは確認できるほど、製品テストの期間を取っていませんでした。」

「なるほど、1年のみならず、半年もテストをしていないということですか。とりあえず、御社が注目を集めるために、まともにテストをせずに動画サイトへ投稿したのはわかりましたが、結論としてリールの修理は可能でしょうか?」

メーカー担当者「故障の再現ができるかわからないので、一度組み直しますので、もう一度使ってみて下さい。」

・・・・しばらくして受け取ると、結局、直っていない状態で送り返してきました。

そのため、再度メーカーへ送り返すと、今度は完全に直って帰ってきました。(新品になってた模様)

上記のようなやり取りがありました。(結局、3ヶ月程修理に要しました。)

その後は、2020年現在までレバーブレーキの故障が発生していません。(トーナメントと交互で使うことが多かったこともありますが)

※2020年6月にオーバーホールに出した際に再度同じ症状が発生し、再度送り返しました。症状としては、上記と同じく、レバーブレーキをOFFにしても逆転が止まらず、リールとしての機能が喪失するという状況(釣具のポイントの店員さんも何回目ですか?という呆れ顔でした。SLPのオーバーホールに出して壊れたままや不具合で返されるのは、毎年出して毎年2件ほど平均して発生しています。)

クレームで再度送りなおして帰って来たレポートです。

上記の画像の内容で、レバーブレーキの逆転を利用する釣り方は破損する恐れがあるのでやらないでくださいという記載があります。

このような記載を載せるのであれば、ダイワが提唱するレバーブレーキの太刀魚ジギングやタイラバは「売っておしまい、壊れたら後は知らないよ」ということを示しているということが明白です。

最近のダイワのみならず釣り業界を見ていると、特にルアーの業界はネタ切れでネットのブログなどの個人がずっとしている釣り方をあたかも自分たちが先駆者でしたと言わんばかりに、動画を投稿し、それを主張します。(やり方は某国が離島の領有権を主張するのと何ら変わりはないです。)

特にレバーブレーキのタイラバはダイワのテスターの方が本で書いているように2019年から取り組んでいますと明らかに後発です。(まぁ、他のあるメーカーは私がメディアに紹介しているバーティカルのスピニングタイラバを我々が先駆者ですと動画を公開しています。(15年前も10年前もバーティカルのスピニングタイラバをやってるやつは私以外にいません。全国いろんなとこを回りましたが、タイラバ=ベイトという考えが多く、異端者みたいな扱いを受けてましたので)

というか、ダイワのテスターの中には、ある地域で他のメーカーの商品が売れないように釣り新聞等に圧力をかけているそうです。(釣り新聞の担当者から聞きました、まぁ、そのテスターは実は私の遠い親戚という落ちでしたが(今は亡くなっています。))

レジャーフィッシングさんの釣りぽでは、書けないないようですが、まぁ今回までのダイワの最近の一連の行動は目に余るので、暴露しています。

【レバーブレーキのスピニングタイラバのデメリット④】

レバーがあるのでキャストし辛いなどもありますが、慣れれば気になりません。(気になる人は、モアザンのショートブレーキに部品交換が可能(バイターボのブレーキレバーでも交換可能(メーカーに確認済み))

【レバーブレーキのスピニングタイラバのデメリット⑤】

 オーバーホール時の修理代が高い(スピニングの構造上、バーティカルで使うのはかなり負荷がかかるため)

 ちなみに、ステラはいつも1万円以上修理代がかかります。(ラインローラのベアリングやドライブシャフトなども全て交換になります。(特に、ギアの摩耗が深刻))

5 レバーブレーキのスピニングタイラバにはどんなタックルが必要か?

ここではリールにスポットを当てて説明します。

ロッドの選定は、別の記事を参照にして下さい。(https://tyokinbako9901.jp/archives/956

【リールの番手の使い分け等について】

〇 基本は、バーティカルスピニングタイラバと同様

〇 50mを基準にそれより深いとシマノの4000番サイズ、それよりも浅い場合はダイワの2500番サイズ(LTコンセプトではないもの)やシマノ3000番サイズのリールが最適

リールはステラの4000番サイズのローギアがどんなフィールドでも使え万能
18トーナメント磯3000LBDは巻き上げ力が高いが、バイターボは向かない(ブレーキが効きすぎるため)

〇 ヘッドの重さを考える場合、120gまでのサイズならダイワ2500番サイズ、それ以上(200gまで)ならシマノ4000番サイズが使いやすい。

〇 リールのハンドルは、デメリットでも述べたようにシングルハンドルでは、フォールの演出に問題があるので、バランサー付のシングルハンドルかダブルハンドルが必須

〇 ブレーキは効きすぎてもダメ、特にバイターボブレーキは効きすぎて使い辛い

6 実釣に基づく実績について

 この釣法の元となる、バーティカルのスピニングタイラバは、北海道~九州までの各地で実績を上げてきました。

 特に、北海道でのテストの実績がすごく、どういう時に魚が食うのかがよくわかりました。(クロソイの反応が特に良かったです。)

 タイラバが知られていない北海道でタイラバを北海道の釣り新聞や釣り雑誌での連載を通じて紹介して広めて行きました。

 【北海道のタイラバの記事】

 沖五目のタイラバ→ https://tyokinbako9901.jp/archives/747

 ボートロックタイラバ→ https://tyokinbako9901.jp/archives/752 

 また、レバーブレーキのスピニングタイラバとひとつテンヤを融合した北海道式ひとつテンヤも作りました。

 底付近に固まっているソイやアイナメ、中層に浮いているソイにも効果は抜群でした。

 タイラバとの使い分けは、シシャモを食べていたりする時に、このひとつテンヤを使います。また、底付近でカニやエビを食べている時に、ネチネチ攻めるときにも多用しました。

スイミングテンヤを丸呑みするソイ(北海道式ひとつテンヤ)
普通のテンヤではなく、スイミングテンヤを使って中層~底付近をいろいろなワームを用いて効果的に攻略する釣法が北海道式ひとつテンヤ
この釣りはローギアのスピニングが肝で、かつ理想的なフォールをバランサー付のシングルハンドルやダブルハンドルが実現
北海道以外のフィールドで使用(竿は、紅牙EX、リールはモアザン、場合によってはトーナメント磯)

【レバーブレーキのスピニングタイラバにおススメのタイラバのセッティングの一例】

タイラバワームを付けてかつガイドサービスセブン社のジャンプパーツを使った3本針仕様が最適なセッティング(ヘッドはフォールを意識して作られたものを使用)

7 終わりに

今回は、レバーブレーキ搭載のスピニングを使用した釣り方等を紹介しました。

個人的にいつも思うのが人に迷惑をかけない範囲で自分のやりたい釣り方をやると考えることが一番大切だと思います。

私がずっとやって来たこのバーティカルスピニングタイラバは10年以上前は、非常識な釣り方として冷ややかな目で見られていました。

しかしながら、ずっと続けてきた結果、ベイトを使う人よりも多く釣ることもでき、かなりの確率で竿頭を取れるようになり、船長や他の人の理解を得られるようになりました。(以前、レジャーフィッシングさんの編集部の方には新しい釣り方と言われましたが、昔からやっている人が少なすぎるのが意外かなと思いましたが)

この記事を通して、スピニングタックルが非常に優れているというわけではなく、状況に合わせていろいろな組み合わせをすることで釣果を重ねていくことが可能になるというのが、今の私の考えです。

レバーブレーキ搭載のスピニングは汎用性が高く、多くの釣りに活用することができる可能性を秘めていますが、デメリットもあるのでそれを理解して楽しんでもらえたら幸いです。