この記事は、レジャーフィッシングさんの釣りぽに投稿している私の記事と一部内容は重複します。
まず、前提としての北海道のタイラバ(概要)について説明します。
北海道のタイラバのターゲットは、主にソイ類、アイナメ、エゾメバルなどになります。これは北海道には真鯛がおらず、いても奥尻島の緯度までしか生息していないためです。
稀に苫小牧付近で見つかることもありますが、死滅回遊してきた稚魚が火力発電所の温水の地域で越冬し、大きくなったものです。
そのため、1mクラスの大鯛はいませんが、40センチぐらいの3年魚は釣れることが稀にあります。
また、北海道のタイラバは大きく2つに分けられます。
狙う水深によって沖五目のタイラバとボートロックタイラバに区分されます。
沖五目のタイラバは主に40m~80m程の所を狙うタイラバで、ボートロックタイラバは水深が10m程(浅い所は3m)沖堤防周りで魚を狙うものです。
どちらのタイラバも大型が潜んでいる所を狙うため、かかったら根に入られないようにドラグを締めて、真っ向勝負しなければなりません。
北海道のタイラバは根魚がメインなので、本州や九州のようにドラグを駆使してという理論は使えません。
ある程度の太さのラインを用いて、かつ魚を根から強引に引きはがせるタックルが必須です。
そのため、同じタイラバですが、かなり変わった釣りになります。
【沖五目のタイラバ】
まず道具立てですが、少しタックルが強いようと思われるかもしれませんが、これが約5年間、北海道でタイラバを研究してきた結論です。
タイラバのシーズンですが、大体1月の半ばから4月の末ごろまではオフシーズンですが、それ以外は年間を通じてできます。
オフシーズンの時は水温が1桁前半になるため、活性が低く全く釣れないです。
そのため、オフシーズンはサクラマスやカレイを楽しみます。
ヘッドの重さの考え方ですが、これはタイラバではおなじみの、「水深=ヘッドの重さ(g)」というのは成立しません。
それは、北海道にはタイがほぼいないので、ソイ等の根魚がメインということは、あくまで底を取ることが大切ということです。
いかに底付近を集中的に叩けるかが重要です。
さらに、北海道ではタイラバはまだマイナーな釣り方であり、基本的にはエサ釣りの方と同船が普通です。
船長の流し方としてエサ釣りの方の仕掛けの入り方に合わせるのが普通です。
北海道の釣り人の道具は、関東周辺の沖釣りをする人たちのそれとは違い、エサ釣りの人の仕掛けはひと昔以上前のコンセプト(太いPE、太い仕掛け)が主流なことが多いです。
当然錘も重いもの、120号~150号(水深40~50m程)を使ったりするのでタイラバのヘッドも重い物を使わざるを得ません。
タイラバのみの出船なら軽いものが使用できますが、基本的に前述したように、マイナーな釣り方になるので、タイラバやジグなどのみで人が集まることはレアケースです。
私が今までに執筆を依頼された北海道のメディアでは、この点を踏まえ基本的にはヘッドは重いものが必須(80g~150g程度まで準備するとどんな状況にも対応できる。)と紹介し、当然竿も150g程度まで背負える竿でないと使い辛いと紹介しています。
しかし、私以外の人が書いた一部のメディアではヘッドは1.5倍程度の重さで良いとかリーダーはナイロンが標準で、ドラグは緩く(緩い人はたいていラインブレイクしてます。根に向かう魚なので当然ですが)など浅はかな知識や経験に基づいたことを紹介しています。
ちょっと初心者の方や道外の方々が勘違いをすることを書かれているので、誤った認識をもたれないようこの記事では詳しく紹介しています。
最初に本州や九州のタイラバとは違うと述べましたが、魚を狙う際の着眼が違うだけで、ただ巻いて釣るというシステム自体は普通のタイラバとほとんど同じです。
竿について、柔らかい竿(チャリコに向くようなもの)は、エゾメバルには良いですが、大型のソイを釣るにはパワー負けします。
また、潮が速い時などに竿がしっかりとヘッドの重さを支えることができず、ラインに角度がついて、オマツリの原因及びその復旧の際に問題となることもあるので、硬い竿の方が良いです。(エゾメバルは竿が硬いとバイトを弾くことがありますが、ソイはほとんどありません。ミスバイトは、竿先を水平より下に向けるだけで回避できます。)
150gが背負える強度はなくとも、少なくとも120gぐらいまでは背負えないとエサとの同船の場合はかなり辛いです。
リールは基本的にはハイギアのベイトが北海道の沖五目(水深50m程度)では一番使いやすいです。
ローギアも良いのですが、糸ふけの回収が間に合わないと根掛かりが発生することもあるので、無難なものはシマノの200サイズのハイギアのベイトが無難です。(300サイズのものでも問題なしです。)
後述しますが、ちなみにローギアのベイトは、ボートロックや水深が20m前後のカレイ釣りに絶大な効果を発揮しますので、持っていても損はしません。(北海道のカレイは非常に大きい(イシガレイの大型は70センチ近い物もいますので、パワーのあるベイトの方が頼もしく感じます。)
糸の太さは、根魚がメインなので少なくともPE0.8号以上、リーダーはフロロの3号以上が無難です。フロロでないと根を攻めることもあり、リーダーとしての機能を果たしません。
時々、PE0.6号とかのウルトラライトタックルを使う人もいますが、そういう人はたいてい魚が根に入ったり、ラインブレイクしています。
このような人たちは、ばらして魚が警戒して食わなくなることを知らないようで、船長に怒られることもあります。(イメージ的には、ネリゴ(カンパチ)と同じような感じだと思います。バラすと周りの仲間に警戒信号を出す点では。))
魚探で見ていてもばらしたり、エサ釣りの方が根掛かりをすると、一気に反応が消えます。
タイラバのヘッドの材質はタングステンでも良いのですが、特にソイの場合、根が荒いとこに住んでいることが多いので、高いタングステンを使って根がかりすると財布へのダメージが大きい方にはお勧めしません。
むしろ、タングステンのヘッドではシルエットが小さくなることにより、鉛より釣れない時もあります。
シルエットを小さくしたら釣れるというのは北海道のタイラバでは迷信です。
根魚なので食う時は食う、食わない時は食わないです。
そういう場合は、リアクションバイトで食わせたり、他の人よりも速く仕掛けを投入するなどして、あとはひたすら粘るしかないです。
実際、渋い時に何度もタングステンを使いましたが、効果はありません。
タイラバをしている方は当然ご存知とは思いますが、タングステンと鉛では巻き抵抗が違うので、ヘッドの材質を変えた場合の感覚をしっかりと把握していないとうっかり根掛かりしますのでご注意を。(タングステンのように比較的小さなヘッドは岩に挟まることも多々あります。)
ヘッドの重さは基本水深の1.5倍から3倍ぐらいまでを使います。水深=重さ(例:40mの水深に対して、40gのヘッド)は基本的に成立しないので、前述したように軽いヘッドを使うと根魚は釣れません。
エゾメバルは基本的に浮いているので軽いヘッドが有効な時もありますが、ソイは基本的に沖の根では底ベタなことが多く、九州にいるマハタのようにある時期に水深の半分ぐらいでベイトを追い回して泳ぎ回るようなことはありません。(ソイ類も追い回しますが、マハタなどのように極端に浮いたりはしません。)
私の場合、沖五目の場合、基本的には水深がどうであれPE1号のタックルには100gのヘッド、PE1.2号のタックルには120gとPEの号数×100gとしています。(その時の潮に合わせて20~30g重い物を使用することもあり)
スピニングもベイトも私は同じ重さでやりますが、基本的にベイトの場合潮の提供を受けやすいので、状況によりスピニングタックル(リールはシマノ4000番のPGを使用)のPE1.2号は120g、ベイトは150gとすることもあります。(スピニングよりも少し重く)
なお、水深が80mのところを狙う時は、ヘッドの重さを150~200gに変更します。
私のタックルはスピニング、ベイトともに200gまで使えますが、年に1回ぐらいは200gの出番が少しあります、ほとんど周りの人も釣りにならない状態ですが)
タイラバのカラーは、オレンジや赤などシルエットがはっきりしているものが実績があります。
黒も試してみましたが、効果がありました。
チャート系などの色や薄い色はなぜか食いが悪いことが多く、何度か検証しましたが、やはり定番のオレンジや赤などのカラーには及びませんでした。
フックセッティングは普通のタイラバと同じで良いですが、ガイドサービスセブンさんから出ているジャンプパーツを使ったトリプルフックシステムもバレにくいのでおススメです。
合わせてフッ素加工の針もおススメです。
フッ素加工の針を使うことにより、口が大きく、よくヒットするソイ類に加え、ショートバイトの多発するエゾメバルなどのヒット率も上がります。
この際、フックにダイワの紅牙フレアリーフなどのアジング用の小型ワームを付けると、スカート及びネクタイとフックが同調し、ヒット率が上がります。
特に、緑のワームを付けるとより多くの魚(主にエゾメバル)がヒットします。
(エゾメバルは、緑の東北メバルサビキなどを使うとものすごく釣れます。)
親針に太いワームを付けてエビラバ状態にする人もおり、これでも釣れますが、タイラバのバランス的には状況によってはちょっと使い辛いかなと思います。
その場合は、ネクタイを外して使うのが一番です。
ガルプ製品のセブンストレーラーを使う時もこのセッティングが一番です。
特に、このトレーラワームを使うセッティングは北海道では必ず釣れるセッティングです、大型のソイには特に有効で、一人だけ釣れるという状況になることも多いです。
次回はボートロックのタイラバについて最新版を紹介します。