1 この記事の概要について

  近年一部のアングラーで試されているアマダイをタイラバで釣る方法について紹介

しています。

 私のメインフィールドは、大分県の豊後水道(無垢島沖から蒲江沖等)で、主にこの海域ではいわゆるエンジン流し(スパンカーを立てて釣る(ドテラではない))でやります。

 また、釣ったアマダイは、水深40m~130mの様々な海域で釣っています。

2 はじめに

  初めてスピニングタイラバでアマダイを釣ってもう10数年になりますが、初めてアマダイを釣った時は、タイラバでも釣れるんだなと驚きました。

 私は、エサ釣りもルアーもかなりやり込んでおり、どちらの長所も短所もわかっているつもりです。

 それらを踏まえて、現在の段階のアマダイのタイラバ(通称:アマラバ)について、実釣経験を元に紹介します。

 前提条件としては、記事の概要で紹介したように、九州のルアー船でよく行われているドテラ流しではなく、関東でいうエンジン流し(バーティカルの釣り)で紹介をします。

3 タイラバの方が大きなアマダイが釣れるかということについて

 経験上、タイラバで釣れるアマダイは40センチを超えることが多いと思います。

タイラバで釣れた40センチ超のアカアマダイ

 これは、タイラバのシルエットが大きいため、口が小さな小型のアマダイは食い損じ、口が大きい大型のアマダイは、食いつくという状態になります。

 エサ釣りでも、私の行く海域は、オニカサゴと併用でサバの切り身を使うことが多いのですが、小さめのサバの短冊等を使うと25センチぐらいのアマダイが釣れることが多く、口が大きいオニカサゴ狙いの比較的大きめの短冊を使うと35センチ以上の大きなアマダイがヒットすることが多いです。

エサ釣りで釣れたアカアマダイ、やや小さめ(エサはサバの短冊(小))

 推測ですが、実際に水中では、よくアマダイのエサの食い方で言われている何度も吸って吐いて食い込むというのは当てはまらないと思います。

 エサ釣りでも、当たりは明確に出ることが多く、関東の釣りと異なるのは、こちらの九州の海域ではムツ針のようなネムリ鈎を使うため、関東のチヌ鈎を使うアマダイ釣りに比べ、フッキング率が高いというのもあります。

 前述のように、関東で言われている即合わせが必要というのは、この鈎の形状に起因するものであり、一概にアマダイの食い込みかたを決めつけるのもどうかなと思います。

 釣り人の間で言われている魚の習性等もいろんな研究文書や書籍を読んでいくと根拠がなくいい加減なものが多いと感じるので、人の話は参考程度にするぐらいが良いと思います。

 おススメ書籍→講談社 BLUE BACKS 「魚の行動習性を利用する釣り入門」

読みやすくておススメの一冊です。(値段も安価)

 結論としては、タイラバで大きなアマダイが釣れるというのは、理にかなっているものですが、個人的には、タイラバは、点(ピンポイント)の釣り、エサ釣りは、面の釣りなので、小さなエサでも大型の魚が食いつくケースもあるので、針数が多く、仕掛けを広く這わせることができるエサ釣りの方が断然タイラバより有利になります。

 どうしてもタイラバで釣りたいと思う人には下記で細かい釣り方を紹介しますのでご参照下さい。

4 アマダイをタイラバで釣るためのタックル(竿とリール)について

 バーティカルのスピニングタイラバタックルも使えますが、基本的にベイトタックルが向きます。(私は、全てスピニングタックルで釣ってきましたが・・)

 基本的には、タイラバのタックルで良いのですが、前述したようにタイラバは針の形状としてチヌ鈎タイプが多いため、基本的には即合わせは不要ですが、当たりがあってもしっかり巻いて竿が絞り込まれた時に確実に合わせを入れるようにして針を貫通させた方が良いです。(タイラバで基本的にチヌ鈎のような掛ける形状のもので即合わせをすると針が損傷することもあります。)

 可能であれば竿は少し硬めの方がフッキングが良くなります。

 リールに関しては、水深が50mより浅ければローギアで、それよりも深ければハイギアがお勧めです。

 アマダイは、底付近にいるので基本的にローギアがおススメですが、水深が深い場合には、潮の影響や回収を考えると経験上ハイギアタイプがお勧めです。

 リールの番手としては、シマノならば200番サイズで良いです。(300番サイズは持ち重なりするため使い辛いです。)

5 アマダイをタイラバで釣るためのセッティングについて 

 ヘッドに色は各海域でいろいろとあると思いますが、私はタイラバのヘッドは魚に見つけさせるための補助的手段にしか思っていないので、余程濁りが酷ければ、緑やチャート等の目立つ色を使いますが、ほとんどがオレンジで釣っています。

 スカートとネクタイの色は、ヘッドと同系色がお勧めです。

 前述しましたが、大きなアマダイは大きなエサで釣れるので、タイラバワームの大型を使う人がいますが、これはおススメできません。

 これを使うに至った考えとしては、アマダイはイソメを食うという食性に着意しているのでしょうが、イソメは体が非常に柔らかく、ワームがいくら柔らかくても、食い込みの悪さが際立ちます。

 余程活性が高ければ良いのでしょうが、前述したように、タイラバは点の釣り、ピンポイントでせっかくアマダイのところに落ちても、食い損じが生じると結局釣れず仕舞いでしたということになりかねません。

 私は、投げ釣り歴も30年以上で大型のシロギス専門で狙うため、イソメも自分で採りに行ったりもしているので、様々なイソメの生態についても熟知しています。

 話を戻しますと、タイラバ用の大型のワームは、博打的要素が大きいので、おススメとしては、ダイワの紅牙フレアリーフのような小型ワームやアジング用に使う小型ワームを2本針に付けることがお勧めです。

このようなセッティングはあまりアマダイには向きません。

 この際の組み合わせとしては、バイトマーカーとして使うために、孫鈎の方にケイムラのワームを使うとフッキング確率がやや上がります。

ダイワのフレアリーフに食いついてきたシロギス(東京湾でキャッチ)

 アマダイをタイラバで釣って感じるのは、ネクタイにかみつくというよりも、とりあえず目の前にあるエサらしきものに噛みついて来るパターンが多いと感じます。

 (実際にネクタイに噛みつかれて、ネクタイとスカートがずり落ちるということも何度も経験しましたが(セブンスライドパーツの機能上の欠陥))

 余程大きなアマダイしかいらないという人以外は、極力シルエットを大きくしない方が無難です。

 アマダイは巣穴付近にしかいないため、アピール力を高めるために大きなワーム等を使って食い損じを出すよりは、小さいアマダイでも数少ない当たりをものにすることが大切です。

6 アマダイをタイラバで釣るための巻き方等について

 アマダイをタイラバで釣るには、概ね底から5mの範囲内でタイラバを動かします。

 潮が動いていない時は、10m上まで巻き上げて落とすことにより、着底ポイントを僅かですがずらすことが可能です。

 これはよく大分県の沖釣りでウッカリカサゴ等の根魚を胴付き仕掛けで狙う際に使う方法で、実績のあるやり方です。

 アマダイの当たりは、根魚のカサゴの当たりに似ており、強さこそ違うものの、底から1mから2mぐらいのところでヒットすることが多いと感じます。

 巻き方は基本的にデッドスローです。

 アマダイは、真鯛のように基本的には見切ることがないようで、目の前に落ちれば高確率でバイトしてきます。(余程活性が低くなければですが)

 底にいるのでタイラバを置きっぱなしでと考える方もいるかもしれませんが、これをやって食った試しはないので、やはり動きが必要なようです。

 船が動いているのを利用してタイラバをある棚に置いて引っ張らせるやり方もありますが、アマダイには向かないようです。

 底付近を丹念に探る以外は、通常のタイラバと特に大きな違いはありません。

7 まとめ

 アマダイをタイラバで釣る方法について、これまでのエサ釣りとタイラバの経験を元に記事にして紹介しました。

 個人的には、アマダイはタイラバで狙って釣るものではなく、あくまでゲストで釣れたら良いと感じる程度かと思います。

 どうしてもエサ釣りには敵いませんし、エサ釣りの乗り合いでも肩身の狭い思いをしてまで釣る価値はないと思います。

 特に、年中エサ釣りで攻められている海域では、釣り場を面で攻めるエサ釣りですら厳しいのに、点で攻めるタイラバなら尚のことです。

 メーカーは売らないとやっていけないのでいろいろとPRしますが、エサ釣りを少しかじったぐらいのレベルな人が多く、デメリットを紹介できない人も多いので、しっかりと自分で研究することが大切だと思います。