【奥尻島の概要】

4年ほど前に連載していた「北海道の釣り」で書いた記事を修正したものになります。

以前、仕事の都合で、1月程この島に滞在し、実際に島内を釣り歩いたり、漁師さんや釣具屋さんと仲良くなっていろんなことを教えてもらいました。

(アイキャッチ画像は、奥尻島のマスコットの「うにまるくん」でフェリーターミナルで出迎えてくれます。)

北海道の奥尻島については、本州や九州の人には、地震と津波の被害を受けたということで記憶にある人が多いと思います。

実際、島の人と仲良くなるにつれて、島の歴史や津波の時の惨事について、実際にどれぐらい被害が大きかったのかも教えていただきました。

火災の消火がなかなかできず多くの方がなくなったり、津波の後に取れたミズダコに人の髪の毛が付いていたこともあったと、釣具屋のおじさんから教えてもらい、火災だけでなく津波でも多くの方が亡くなったという大変な災害だったことを認識しました。

そして、改めて地震と津波の怖さを認識しました。

津波の後に、住居等が高台に再建されたため、お店によっては高台にあったりもします。

また、島自体がとても大きいので車は必須です。(バイクでも良いですが、タヌキがたくさん出て来て少し怖いです。(道端には毎日轢かれたタヌキ達が横たわっています。)

なお、島のレンタカーの値段は非常に高く、1人で行くなら車を持ち込んで、車中泊をするなどした方がいいと思います。

タヌキの歴史についても教えてもらい、奥尻島のタヌキは戦時中に日本軍が毛皮の材料として使うために、島に持ち込み、それが天敵がいなかったことから加速度的に増えていったということです。

後で細部のポイントを紹介しますが、簡単にいうと奥尻島の釣り場としては、主に島の西と東側に分かれます。

特徴として、西側は主にゴロタ磯となっており、比較的水深が浅いです。

逆に、東側は港が多く、ドン深(所々が砂地)になっているところも多いです。

特に、東側は津波の災害があったこともあり、堤防が非常に高くなっており、転落すると重大な事故に繋がります。

この島に来て気が付いたこととして、北海道の魚だけでなく、本州の魚も釣れるということです。

私がこの島で目撃した魚は、アオリイカ、メゴチ、真鯛、石鯛、アイナメ、アジ、イワシ、タラ、ミズダコなど非常に多岐に亘ります。

松江漁港で釣れたメゴチ

真鯛や石鯛は死滅回遊魚ではなく、良型は冬場に深い所で越冬するそうです。

私が行った次の年に、この島の方でショアジギングで80センチオーバーの真鯛を釣った方もおり、実際に定置網をしている漁師の方に聞いても、真鯛や石鯛の良型は時々網に入るよと教えていただきました。

奥尻島は、一番いいシーズンは冬から春が一番釣りとしては面白いそうで、サクラマスやカレイなどがたくさん入ってくるそうです。

(川がないのにサクラマスが回帰するのは、稚魚を放流したからと教えていただきました。)

また、真夏は磯からのブッコミ釣りやカゴ釣り、フカセ釣り(全層釣法など)で夜に大型の獲物を狙うのが楽しいと思いました。

私が行った時は夏枯れと呼ばれる海藻がなくなり、魚が釣れない時期(夏の終わり)でしたが、港の中でブラクリなどで遊んでいると40センチないぐらいの小型のアイナメがよくヒットしました。

結構釣れたアイナメ、エサは島のホーマックなどで売っています。

【島内の商業施設に関して】

この島では、フェリーターミナルの周辺か島の南側にしか商業施設が集中していないので、買い物は主にそれらの地域ですることになります。

基本的にコンビニは奥尻港の側に1件しかありません。

南の青苗地区には、小売店やホーマックがありますが、基本的に島なので夜の8時ぐらいには大体閉店していますので注意が必要です。

釣具は、置いてある数や種類が非常に少なく、特にルアーはそれが顕著です。

島内ではキモト釣具さんやホーマックでサビキやブラー、イソメ類などは購入できますが、基本的にはオフショア特にタラ用品などばかりですので、島に行く前にはしっかりとした準備が必要になります。

島の釣りで迷った時はキモト釣具店に行くことをおススメします。

こちらのお店は非常に親切で、かつ船のいろいろな釣りに精通されているので非常に参考になる話も聞けますので、一度立ち寄ることをぜひおススメします。

オフショア事情ですが、地元の釣具店のキモト釣具の方にお話を伺ったところ、 奥尻島では遊漁船がほぼなくて、もしあってもチャーターになり、かつ漁師の漁の間の釣りになるので4時間ぐらいしかなく、あまりよい釣果は見込めないそうです。 (現在はちょっとわかりませんが)

また、奥尻島で見た魚を考えると、投げ釣りで普通にシロギスが釣れそうな感じもしたり、沖に行きカワハギの数釣りもできそうな感じでした。

実際、カワハギはその仲間のウマヅラハギはたくさん釣れるそうで、島の人たちもよく食べるそうです。

よく真鯛の北限は、津軽海峡と言われますが、実際に釣り歩いて、現地の人の話を聞くとそれが固定観念であるということがわかりました。

私自身は、チャリコ達に遊んでもらいましたが、船でタイラバをすると恐らく普通に真鯛が釣れるんだろうなと感じました。(ちなみに、対岸からは遊漁船は出ています。(タイラバをするかは知りませんが))

手のひらサイズから塩焼きサイズまで釣れました。

【実際に奥尻島に行っての感想とおススメポイント紹介】

離島と言うと大物のイメージがあると思いますが、私も北海道の離島だから大きな根魚がたくさんいるのではという淡い期待を持ち上陸しましたが、実際釣りを開始すると夏枯れだったためか、北海道の本土でも釣れる小魚ばかりでした。

前述したように、真鯛、石鯛、カワハギ、カマス、アジ、イワシ、サバ、アオリイカなど多数いましたが、ここにもやはりエサ取りとして多数のフグが所在していました。

特に、エサでイソメ類をつけるとすぐに100匹ぐらい集まってきて、半ば養殖イケス状態でした。(クサフグばかり)

行った際に、奥尻島の南側を主に調査しましたが、南側は松江漁港や青苗漁港があり、特に青苗はかなり大きな漁港であり、攻める場所がたくさんあります。

松江漁港はテトラに乗れば、外側のドン深の場所へルアーや仕掛けを投げられるのですが、テトラの積み方と堤防の高さが高いので注意が必要です。

どちらの漁港もアジをサビキで釣っているとヒラメが釣れてくるそうです。サイズは小型ですが、釣り物として魅力があるそうです。

(サビキでアジを釣っていた知人はヒラメにかじられました。)

松江漁港で釣りをしているとアジの群れの近くにやや小ぶりのアオリイカが泳いでいました。

現地の人の話ではエギングで釣れるそうで、また次の機会があればアオリ用のエギを持って行こうと思いました。(島の堤防にはちょくちょく墨跡がありました。)

 奥尻島の南側は比較的水深が浅く、下が砂地のとこが多いので、根魚はテトラ周辺の穴釣りか夜釣りの方が釣果は望めるのではないかなと感じました。

 西側には漁港がわずかしか存在しておらず、神威脇漁港が比較的釣り易い港になります。

神威脇漁港には、隣に温泉施設や宿泊施設が存在しており、そこに泊まりつつ、港で釣りをするのもありかなと思いました。

神威脇漁港は、砂浜に隣接しており、下は砂地に一部根が点在するような感じです。堤防の高さも二重になっているためか比較的低く、先端でも釣りがやりやすいです。

神威脇漁港から見える緑館という旅館です。
こちらの温泉は非常に気持ちがよく非常にくつろげました。

こちらもテトラの穴釣りができ、サイズはでませんが、数釣りが可能です。

西側はかなり砂地に根が点在する地磯が多く、季節によっては大きな根魚が寄ってきそうな雰囲気でした。

また、西側の地磯は青物が回ってくることが多く、今回行った時も40センチくらいの小さなブリが釣れていました。

当時使用したタックルは

 ロッド:ダイワ モアザンモバイル76(スピニングタイプ)

 リール:ダイワ 12トーナメント磯3000H LBD

 ライン:PE0.8号、リーダー2号

 使用したジグ等:ソルティーベイト、ソルティーラバー(ともに20gまで)

        ブラー(20gまで)など

実際これでやってみると、もっと長さがあった方が奥尻島で釣りはしやすいと感じました(今回は仕事もあり、さすがに長いのは今回持っていけなかったのもありますが)

投げ竿を持って行き、西側の磯やサーフでの置き竿で根魚を狙うのもありだなというのもよくよく感じました。

また、交通手段として、フェリーは欠航する可能性もあるので、余裕を持った旅程を考えていた方が無難です。

一応、奥尻空港もありますが、比較的小型の機体なので、大きな荷物等は制限を受けることがあります。(飛行機でも時化たら風が強くて飛べないこともあり、帰れません。)

島の名物の鍋吊岩(東側)、周辺はゴロタが入っていい感じです、

実際に1月もいると非常に島の良さがわかり、また住んでいる人の温かさも感じ、帰る時はかなり寂しくなりました。(ミズダコもらったり、タラもらったり、ホッケをもらったりともらってばかりでしたが・・)

オフショアのフィールドとしては、遊漁船の数を考えるとなかなか今後も開拓は進まないのかなと思いましたが、ポテンシャルの高い場所というのはよく理解できました。

釣りを楽しむだけでなく、温泉もあるので休暇をゆっくりと楽しむにも適した非常に良い所ですので、北海道に行く際の選択肢の一つとして持っていただいても良いと思います。