1 この記事の概要について

  外房勝浦川津漁港沖のイシナギ釣りに最適な竿について紹介しています。

 この記事については、関東にやって来て過去4年間を通じて外房のイシナギを一番釣っている私の実績に基づくものになります。

(2023年度は15匹キャッチ、累計34匹キャッチ)

2 導 入

  この地域は10年程前に巨大なイシナギが釣れて続いて有名になった地域です。

    しかしながら、最近では70キロを超えるモンスターサイズは稀で、大きくても30キロ超ぐらい、主に10~20キロ前後のサイズが主体となっています。

   そのため、昔を知っている人が紹介する釣り方では、タックルバランスや釣り方等が考え方が古く、かつ昔は誰にでも大きなサイズのイシナギが釣れていたため、恰も自分が名人のように語る人もいて、そのやり方では近年の渋い状況の絶対に釣れません。(実際、ほとんどボウズになる人が多いです。)

3 竿の調子及び錘負荷について

  前提として、この地域のイシナギは、錘250号以上を使用することもあり、青物の泳がせ用及びキハダの竿でもかなり強い竿以外は使い物になりません。

  この海域のイシナギのポイントの水深は、70m~100m程(※100mは終盤)です。

  錘が250号以上を使うため、潮が速く、船底に仕掛けが入るような状況の場合、青物の泳がせ用の竿やキハダの柔らかい竿では竿が完全に錘や魚に負けてしまい、竿としての役割を果たさなくなるので、仕掛けを引っ張られることにより、結果としてオマツリを引き起こします。

実際、柔らかい竿を使い、何人もの仕掛けを巻き込んで、食いが立っている時に釣りができず、結果的に船全体の釣果を落とされたことも多々あります。

 柔らかい竿を使うと、オマツリ防止のため、潮が速い時は他の人が仕掛けを上げなければならず、かつやり取りに時間もかかるので、大迷惑です。

 ここのイシナギ釣りは、釣る時間が概ね3時間もないため、仕掛けをわざわざ上げたり、オマツリ等で時間を消費してしまうと釣る時間自体がなくなります。

 柔らかい竿でも他の人が仕掛けを上げてくれるから問題ないと考えるバカは来るなと声を大にして言いたいです。(そういうバカをアテンドする釣具屋の人等も来ないで欲しいです。)

 魚が掛かったら仕掛けを上げる必要がある場合、私の場合は1本取っていたら、同船者の技量を見て多分釣るのが無理そうであるならばイシナギをそのまま狙い、釣れるだけの技量がある人がいるならば、わざと棚を外したりしています。(他の人に釣らせるために、すぐに仕掛けを上げられるようにしています。)

 釣れない人が多い場合は、お土産で自分が釣った魚を持たせることも考慮しています。

 欲張って何本もキープすると結局後の処理が大変になりますし、そもそもみんなが満足して帰途に付けるようにするべきだと考えていますので。(人に迷惑をかけるバカにはそのような配慮はないですが・・・)

 竿に付いて、私の場合、剛樹のスタンディングディープやアバリスMRなど300号以上の錘をぶら下げても胴の張りが残るものを使っています。

 この胴の張りはとても重要で、魚が食い込んで引き込んだ時に、柔らかい竿だと針掛かりが悪くなり、また、合わせを入れても竿が力を吸収するため、合わせがしっかりと入らず、結果的にバラすという状況になります。(力の伝達率が悪いため)

 柔らかい竿が良い時は、うねりが強い時や15キロ未満の小型が多い時などで、それ以外は向きません。

 どうしても柔らかい竿しかない場合は、軸がやや細い泳がせ針の26~28号や外側にヒネリのあるクエ針の30号を孫鈎に使うと良いです。

 具体的なお勧めの竿の調子としては、250号の錘をぶら下げた時に6:4ぐらいの調子になる竿が良いです。

 また、この海域のイシナギ釣りでは、状況により速潮の場合、錘400号も使うことがあるため、かなり硬い竿出ないと釣りにならないこともあります。

 しかしながら、硬いのが良いと言っても、極端に硬すぎる竿もダメです。

 時々、250号の錘を乗せても全く曲がらないベニアコウ用の竿ぐらい硬い竿を使う人もいますが、そのような竿を使うと当たりがあってもイシナギが警戒して、すぐにエサを放してしまい、食い込まず、結果として釣果に結びつきません。

 毎年物干し竿のような硬すぎる竿を使う人がいますが、その人は極端に太い道糸PE20号以上も使うため、毎年ボウズです。(数年前にたまたま良い日に船長が釣った生きたスルメイカをもらってたまたま釣れたこともありますが・・・)

 今年はその人達のグループに煮え湯を飲まされたので、今までは釣れなかったら商売をしている人でも無償で差し上げようと考えていたのですが、今後は絶対にやらないと強く決めました。

 具体的なお勧め竿としては、剛樹ならばアーバスやアバリスのMR以上、スタンディングディープ、アリゲーターならばギルの14号以上です。

 ダイワやシマノの竿は、お金に余裕がない限りあまりお勧めできません。

 特に、ダイワの竿に関しては、肝心のテスターがこの釣りで年に1回、一番良い時にしか来ず、かつ一番良い釣り座にもかかわらず、ボウズを食らうぐらい下手くそなので、信用ができません。

 その人はイシナギの動画で偉そうにいろいろと能書きを垂れていますが、センスのかけらもないぐらい下手くそです。(誰かは伏せますが・・・)

 モンスターサイズを取った時も、パニックになりハリスを切ってしまい、船長が切れたハリスを持ちつつギャフを掛けて、取り込み場所まで持って行ったぐらいです。

 船長がハリスを放してしまったら、オートリリースになる状態で、普通は切らないだろうにとぼやいていました。

 仕掛けもイカを2ハイつけて食ったと言っていますが、生きたスルメイカを1ハイ付けただけだったそうです。

 ちなみ、スルメイカを2ハイ付けたところで食いは変わりません。

 活性が高く、何でも食う時は大丈夫ですが、それ以外の場合、イシナギが警戒して全く食いません。(サメは食いますが・・・)

 →実際に同船した時の記事のリンク

 私自身、ダイワの竿を複数本所有して使ってきましたが、錘250号までとしているものの、実際は200号をぶら下げて限界と思うぐらい柔らかめに作られており、使い物にならないと思ったことも多々あります。

 実際、ダイワの竿の値段も剛樹やアリゲーターよりも少し安いぐらいなので、それでしたら少しお金を出して良い物を買う方が良いと思います。

4 竿の長さについて

  釣り座によって適正な竿の長さが変わってきます。

  この釣りで、釣り座がミヨシの場合、水面からかなりの高さがあるため、うねりがある場合等、竿が短いと(170センチ未満の竿など)竿先がうねりで跳ねたりして、イシナギが食い込まなかったりすることも多々あります。

 私の場合、ミヨシが定位置(ミヨシは一番釣れない釣り座、いつも艫からポイントに入るため)のため、2m前後の竿を使い、その日のうねりの状況により4本の竿を使い分けています。

 初めて勝浦のイシナギに行く場合は、船長のアドバイスももらえるので胴の間を選択する方がおススメです。(イシナギは最大10名、片舷5名までなのでそこまで釣り辛くないです。)

 実際、胴の間は釣れないというイメージを持つ人がいますが、私は胴の間にイシナギ釣りで入った時は、ほぼ全て竿頭になっています。

 短い泳がせの竿しかない人であれば胴の間より後ろがお勧めです。

 長い竿ということで、竿のタイプで深海竿を選択する人もいるかもしれませんが、この釣りは基本的にイシナギが食い込むまではロッドホルダーに竿を置いておき、3回目の引き込みで電動を高速にしつつ、ロッドホルダーから竿を外して合わせを何度も入れる必要があります。

そのため、ウィンチメインのコンセプトで作られている深海竿は、バット自体が短いので、合わせを入れる動作からスタンディングファイトをするのに、とても使い辛いです。(ライトウィンチタイプならば使えなくないです。)

 また、トローリングロッド(先端にローラーガイドが付いているもの)などは絶対に向かないです。

 極稀に使っている人もいますが、いろいろな問題がありこの釣りには向きません。

 いろいろ書きましたが、簡単にこの釣りに向く竿かそうでないかを判断するやり方としては、竿を持って250号の錘を吊るしてもらい、自分がきついと思ったならばその竿はイシナギ釣りにはあまり向きません。

 自分がきついということは、竿が仕事をしないことになります。

 つまり、竿の機能が死んでいるとほぼ同じです。

 今のタックルに行きつくまで、過去10年程各メーカーの竿を100本以上検証してきましたが、外房勝浦沖のイシナギに向く竿は少ないです。

5 結 言

  2023年度は近年稀に見るぐらい釣れたので、2024年も来る人が多いと思いますが、適切な竿を使ってみんなが気持ちよく釣りができればと思います。

 当サイトでは辛口で書いているところが多々ありますが、最近のメーカーはとにかく騙して買わせるようなことが多く散見され、船上でもせっかく買ったのに使えない道具とわかり可哀そうな人を多く見てきました。(完全にメーカーやいい加減な動画作成者、釣具屋等が原因)

 そのため、自分自身の経験等をその釣りに興味を持ってくれた方に情報提供し、その釣りを好きになってもらおうと思いやっています。

 実際、ノウハウは教えない方が自分が釣れるのですが、いい加減な輩が増えて釣りという文化が廃れるのが問題だと考えています。

 メーカーの目先の利益よりも先の未来に亘って釣りが発展し、末永くみんなが楽しめるようにとずっと活動しています。(メーカーのテスターは柵が多いので、二度とやる気もないですが)

6 参考資料(自分の道具の使い分け

 ① 通常(パイロット、状況がわからない時に使うもの)

   剛樹 スタンディングディープ195S、錘250~400号を使う時、PEは8号

  ② ややうねりがある場合(潮の流れは止まっていない)

   剛樹 スタンディングディープ195SS 錘は250号限定、PEは8号

  ③ 潮がかっとんでいる場合

   剛樹 スタンディングディープ190M、錘は250~400号以上を使う場合

  (PEは6号~8号、メインは6号(オッズポート使用))

  ④ 15キロ未満の小型が多い時(シーズン終盤時)や潮止まり

    剛樹 アバリスMR 錘は200~250号、PEは6号(オッズポート使用)