
1 この記事の概要について
SUTブレーキを使ったレバーブレーキタイラバの特徴について紹介しています。
主にSUTブレーキのバージョンⅡに焦点を当てて紹介しています。 また、21シマノBBXテクニウム4000 タイプGのインプレ(使用感)についても書いております。
2 導 入(イントロ)
〇 レバーブレーキのタイラバにおける特徴や実際に使用してきた評価や感想(インプレ)について
【レバーブレーキタイラバの概要について】
SUTブレーキを使ったタイラバの説明に入る前に、レバーブレーキタイラバのメリットやデメリット等のその特徴について概要を紹介します。
細部はこちらのリンクをご参照下さい。(複数書いているので一部を抜粋)
→ レジャーフィッシングさんの釣りぽ版:https://tsuripo.com/archives/12606
このサイトの記事:https://tyokinbako9901.jp/archives/295
【レバーブレーキタイラバの特徴について】
レバーブレーキタイラバの特徴について、スプールをボタン一つで取り替えられるとか、たも入れなどで糸を出したりするのが楽とか一般的には言われますが、本質はそうではありません。
この釣り方は、タイラバのヘッドの重さとハンドルの形状や重さが肝で、そこにリールの内部抵抗が要素の一つとして加わってきます。
今回の話題としているSUTブレーキについては、ハンドルの形状や重さを無視して、内部抵抗とタイラバのヘッドの重さがポイントになります。
一般的なレバーブレーキリールについては、概ね下記の式が成り立ちます。
タイラバのヘッドの重さ×ラインの角度(←潮の速さ等を係数化したもの)=リールの内部抵抗+ハンドルの重さ×ハンドル形状による回転のしやすさ(←ダブルハンドルやバランサー付きハンドル以外は、回転にムラができるためこの釣りには不適)
おかっぱりのジギングやエギングなどでも検証してきましたが、特にエギングで使う場合は、エギ自体が軽いため、ハンドル自体を軽く必要がありました。(リブレのハンドルでは重すぎたこともありました。)

続いて、シマノのSUTブレーキの場合、構造上、理論的に、タイラバのヘッドの重さ=内部抵抗(ローターの重さなど)
上記の式が成り立つ(イコールになる)場合のみ、レバーブレーキタイラバのメリットが最大限発揮できると以前は考えていましたが、実際に使っていくにつれて、理論的には成立するとは思うものの、使ってみてそう上手くはいかないなと思いました。
(理由については、後述します。)
【レバーブレーキタイラバのメリット及びデメリットについて】
◇ メリットについては、フリーフォールとレバーブレーキによるテンションフォール、そして巻き上げ、止めの自在な組み合わせにより、食わせるための釣りを展開できます。(ジギングのようにいろんな組み合わせを楽しめる。)
◇ デメリットは、一言で言うと、ものすごく専門性が高いです。
タイラバやジギング、そしていろんな釣りに精通していないと釣果が落ちます。
そして道具も高いし、お金がかかります。
特に、ハンドル形状や重さ、ブレーキの特性(トーナメント磯に搭載されているバイターボブレーキはタイラバに不向き(初心者にはとくに扱い辛いため))を自分の釣り方、スタイルと完全にマッチ(この釣りに合う竿も調達しないとダメ)させないとダメです。
だから、第一人者としては絶対に勧めません。(道具は高いし、ドライブシャフトやギアの摩耗で維持費もかかるため)
3 SUTブレーキの特徴について(概要)
前述したように、シマノの磯釣り用のリールに搭載されているSUTブレーキは、ローター部分とハンドルを連動させず、独立させてローターが逆転するように作られています。
4 SUTブレーキのメリットについて
SUTブレーキの構造上、魚にハンドルの逆転による振動等の違和感を感じさせずアングラーに有利な展開にできるメリットがあります。
特に、磯釣りではレバーブレーキを使用が魚を取れるかの成否に関わります。(結構、シビアです。)
しかしながら、タイラバでは、そこまでメリットはないです。
5 SUTブレーキのデメリットについて
まず、SUT機構の複雑さのため、ハンドル交換(左右の)をするためには、メーカーに修理扱いで交換に出すしかありません。
私が現在所有している21BBXテクニウム4000タイプGもハンドルを右から左ハンドルにした際には、期間は約1ヶ月程、値段は3000円程かかりました。
次に、SUTブレーキは特性上、重たいハンドルノブにすると逆転に影響が出るそうで、ハンドルノブ交換にも制約があります。
ちなみに、私はリブレのハンドルノブに交換していますが、ハンドルノブが12時の位置に来ると、「ガガ」と引っかかるような音がします。

更に、SUTブレーキの構造上、ハンドルとローターが連動していないため、巻く時に微妙にハンドルとギアが噛み合っておらず、何かスカスカするような感じがします。
これは、レバーブレーキタイラバにおいて、致命的です。前作のSUTブレーキのバージョンⅠにおいても、これは感じましたが、新しくなったSUTブレーキの構造上、より強く感じるようになりました。
6 結 論
SUTブレーキはこのようにメリットとデメリットがありますが、はっきり言うと、レバーブレーキタイラバには向きません。
前述しましたが、巻く際にスカスカするような感じがすることが致命的で、繊細な巻き取りが重視されるタイラバにおいて、巻く速度が一定しないことにより、通常の状況よりもシビアな状況において、活性の低い真鯛の微妙な当たりを拾えないと実感しました。
更に、40g程度の軽いタイラバならまだ問題はないのですが、100g以上のやや重たいタイラバを使用すると、レバーブレーキを使ったフォールの際に、前述した「ガガ」という引っかかるような状況も生起します。
レバーブレーキタイラバは、やはりシマノよりもハンドルとローターが連動しているダイワ製品の方が向いていると思います。
もう一つシマノのリールをおススメしないのは、レバーブレーキの形状により、キャストする際に、非常に邪魔で、ひっかかったりすることでトラブルが多発します。
レバーを昔あった夢屋のショートタイプに変えれば良いのですが、これも廃番のためヤフオクでも入手困難でしかもかなり高騰しているので、現実的ではありません。
(BBXテクニウムは、改造に制約が多すぎ)