北海道の釣り人達を魅了するサクラマス、釣り場となる船上はマイナス2桁の世界です。
サクラマスとは、ヤマメの降海型の魚で、普通のヤマメと比べて非常に大きくなり、色も銀色になります。
北海道のヤマメのメスは、海に下り、しばらく海で過ごした後に、生まれた川に遡上して産卵を行います。
基本的には、ヤマメのオスは川に残り、メスの遡上を待ちますが、ある程度の数のオスは、メスとともに海に下ります。(意外とサクラマスのオスは釣れたりします。)
船のサクラマスのシーズンは、北海道の積丹半島と太平洋側で若干異なりますが、概ね12月~3月ぐらいの期間で、この期間はライセンス期間となり、1日当たり一人10匹までしかキープすることができません。
北海道の人はこの数を定数と呼び、定数を達成することに情熱的になります。
しかしながら、条件が良い時以外は意外とサクラマスの定数を達成することができません。
外道はスケソウダラや宗八ガレイ、マダラが主な外道となります。
太平洋側のサクラマス釣りでは、この釣りの強力な外道として、オットセイがたまに現れます。
以前、回収の際にオットセイに魚を持っていかれた時の引きはものすごいもので、サメなどと違いとんでもなく強かったです。
このオットセイも船長に話によると、生まれて1年目の子供は魚を取るのが下手で、魚を持っていかれることは少ないですが、5年目のオットセイになると魚が上がってくるのを待ち受けて襲うという賢さを見せます。
サクラマス釣りの期間は北海道の真冬ということで、最低気温がマイナス20度近くまで下がることがあります。
特に、防寒対策が必須で、防寒着は言うまでもなく、特に重要なのは手袋で、これは実用性と保温性の二つを兼ね揃えてないと釣りにならないため、お金に糸目をつけることなく、高い物を購入することをお勧めします。
合わせて、足の指先も同様に冷えるため、九州や本州の通常の冬用の長靴等は役に立たず、シマノ製品ならスーパーサーマルブーツのように靴の中がボアになっているものぐらいしか使えません。
靴底は船に乗るならビブラムなどの滑りにくいものが必須ですが、滑らない靴を履いても滑るので、船のデッキに張った氷を海水で定期的に流す必要もあります。
いずれにせよ、本州や九州の冬の常識は通用しないので、北海道の釣具屋で防寒着等を揃えるのをお勧めします。
オットセイもサクラマスの群れが大きな時はあまり姿を見ませんが、少ない時はやたらと船の周りに現れます。
また、道具の準備は基本的には、ポイントに到着して、船長がシーアンカーを投入しているぐらいの時にやります。
この理由としては、前述したように外気温がマイナス20度近くになることもあり、しかも道具が波飛沫を被ることも多く、それがそのまま凍り付いてしまうこともあり、釣り場に到着したものの、凍り付いて釣りにならないということがあるからです。
なお、無理に使おうとすると、PEラインがチリチリになることもあり、後が大変です。
ネオプレーンのリールカバーを使って回避すればいいのではと思う方もいるかもしれませんが、そんなに甘くはありません。
過去にそれをやったところネオプレーンのリールカバーごと凍り付いて仕方なく予備の道具で釣りをしたこともあります。
一番良い方法は、リールにビニール袋を被せることで、見た目は悪いですが、ビニール袋様様という感じで、全く凍り付くことはありません。
このサクラマス釣りは、釣り方の特性上、乗船人員が限られており、通常の沖五目等の釣りとは異なり、少なめになっていますので、休日になるとかなり予約が取り辛いです。
釣り場の水深としては、積丹半島側が40m前後の比較的浅い場所でやるのに対して、太平洋側は100m前後と非常に深くなっています。
次回から道具や釣り方については紹介していきます。
太平洋側のサクラマスのバケ釣りに焦点を当てて紹介していきます。
積丹半島側と大きく異なるところはありませんが、細部異なるところは、細目でその都度紹介していきます。