まず道具立てですが、少しタックルが強いようと思われるかもしれませんが、これが約4年間、北海道でタイラバを研究してきた結論です。

ほぼ毎週土日船に乗ったり、休みさえあればひたすらタイラバに行った成果に基づくデータです。

タイラバのシーズンですが、大体1月の半ばから4月の末ごろまではオフシーズンですが、それ以外は年間を通じてできます。

オフシーズンの時は水温が1桁前半になるため、活性が低く全く釣れないです。そのため、オフシーズンはサクラマスやカレイを楽しみます。

超」美味しいサクラマス
北海道を代表するカレイ 
マガレイ、マツカワガレイ、イシガレイ

よく北海道のタイラバをする人が勘違いしていると思われるのはタイラバのシステムは真鯛をメインに釣るものであって、対象魚が根魚メインの北海道で九州や本州の要領と同じように中層を狙うやり方をやっても、根魚が釣れるわけがないということです。

これはタイラバは水深=ヘッドの重さというおなじみの物を北海道でも同じように紹介するところもあります。

この点が一番の間違いで、北海道にはタイがほぼいないので根魚メインということは、あくまで底を取ることが大切ということです。

これは、一般的にタイラバで言われている水深=ヘッドの重さが当てはまらないということになります、いかに底付近を集中的に叩けるかが肝要です。

さらに、北海道ではタイラバはまだ非常にマイナーであり、基本的にはエサ釣りの方と同船が普通であり、船長の流し方としてエサ釣りの方の仕掛けの入り方に合わせるのが普通です。

北海道の釣り人の道具は、関東周辺の沖釣りをする人たちのそれとは違い、エサ釣りの人の仕掛けはひと昔以上前のコンセプト(太いPE、太い仕掛け)が主流なことが多く、当然錘も重いもの、120号~150号(水深40~50m程)を使ったりするのでタイラバのヘッドも重い物を使わざるを得ません。

タイラバのみの出船なら軽いものが使用できますが、基本的に前述したようにタイラバやジグなどのみで人が集まることはレアケースです。

私が今までに執筆を依頼された北海道のメディアでは、この点を踏まえ基本的にはヘッドは重いものが必須(80g~150g程度まで準備するとどんな状況にも対応できる。)と紹介し、当然竿も150g程度まで背負える竿でないと使い辛いと紹介しています。

しかし、私以外の人が書いた一部のメディアではヘッドは1.5倍程度の重さで良いとかリーダーはナイロンが標準で、ドラグは緩く(緩い人はたいていラインブレイクしてます。根に向かう魚なので当然ですが)などかちょっと初心者の方や北海道の外の方々が勘違いをすることを書かれているので、誤った認識をもたれないよう今回は詳しく紹介しています。

最初に本州や九州のタイラバとは違うと述べましたが、魚を狙う際の着眼が違うだけで、ただ巻いて釣るというシステム自体は普通のタイラバとほとんど同じです。

竿について、柔らかい竿は、エゾメバルには良いですが、大型のソイを釣るにはパワー負けします。

また、潮が速い時などに竿がしっかりとヘッドの重さを支えることができず、ラインに角度がついて、オマツリの原因及びその復旧の際に問題となることもあるので、硬い竿の方が良いです。(エゾメバルは竿が硬いとバイトを弾くことがありますが、ソイはほとんどありません。ミスバイトは、竿先を水平より下に向けるだけで回避できます。)

具体的に、チャリコに向くような柔らかい竿は、使い辛いです。

150gが背負える強度はなくとも、少なくとも120gぐらいまでは背負えないとエサとの同船の場合はかなり辛いです。

リールは基本的にはハイギアのベイトが北海道の沖五目(水深50m程度)では一番使いやすいです。

ローギアも良いのですが、糸ふけの回収が間に合わないと根掛かりが発生することもあるので、無難なものはシマノの200サイズのハイギアのベイトが無難です。(300サイズのものでも問題なしです。)

ちなみにローギアのベイトは、ボートロックや水深が20m前後のカレイ釣りに絶大な効果を発揮しますので、持っていても損はしません。(北海道のカレイは非常に大きい(イシガレイの大型は70センチ近い物もいますので、パワーのあるベイトの方が頼もしく感じます。)

使いやすいのはハイギアのリール(極端にギア比が高いのは、パワー負けするのでNG)

糸の太さは、根魚がメインなので少なくともPE0.8号以上、リーダーはフロロの3号以上が無難です。フロロでないと根を攻めることもあり、リーダーとしての機能を果たしません。

時々、PE0.6号とかのウルトラライトタックルを使う人もいますが、そういう人はたいてい魚が根に入ったり、ラインブレイクしています。

このような人たちは、ばらして魚が警戒して食わなくなることを知らないようで、船長に怒られることもあります。(イメージ的には、ネリゴ(カンパチ)と同じような感じだと思います。バラすと周りの仲間に警戒信号を出す点では。))

ヘッドの材質はタングステンでも良いのですが、特にソイの場合、根が荒いとこに住んでいることが多いので、高いタングステンを使って根がかりすると財布へのダメージが大きい方にはお勧めしません。

むしろ、タングステンのヘッドではシルエットが小さくなることにより、鉛より釣れない時もあります。

シルエットを小さくしたら釣れるというのは北海道のタイラバでは迷信です。

根魚なので食う時は食う、食わない時は食わないです。

そういう場合は、リアクションバイトで食わせたり、ひたすら粘るしかないです。

実際、渋い時に何度もタングステンを使いましたが、釣れません。

タイラバをしている方は当然ご存知とは思いますが、タングステンと鉛では巻き抵抗が違うので、ヘッドの材質を変えた場合の感覚をしっかりと把握していないとうっかり根掛かりしますのでご注意を。(タングステンのように比較的小さなヘッドは岩に挟まることも多々あります。)

ヘッドの重さは基本水深の1.5倍から3倍ぐらいまでを使います。水深=重さ(例:40mの水深に対して、40gのヘッド)は基本的に成立しないので、前述したように軽いヘッドを使うと根魚は釣れません。

エゾメバルは基本的に浮いているので軽いヘッドが有効な時もありますが、ソイは基本的に沖の根では底ベタなことが多く、九州にいるマハタのようにある時期に水深の半分ぐらいでベイトを追い回して泳ぎ回るようなことはありません。(ソイ類も追い回しますが、マハタなどのように極端に浮いたりはないです。)

私の場合、基本的には水深がどうであれPE1号のタックルには100gのヘッド、PE1.2号のタックルには120gとPEの号数×100gとしています。(その時の潮に合わせて20~30g重い物を使用することもあり)

九州のタイラバでもずっとこのようにやってきて、北海道に来て当初は軽い(60~80g)のでやっていたのですが、あまりに流されることが多く、重たいヘッド(100g以上)に変えてやるようになってストレスなく、かつ釣果も安定しました。

北海道の根魚で実績を積んで完成したレバーブレーキを使用したスピニングタイラバ(北海道ではこのタックルで年間1000匹以上は釣っています。)

スピニングもベイトも私は同じ重さでやりますが、基本的にベイトの場合潮の提供を受けやすいので、状況によりスピニングタックル(リールはシマノ4000番のPGを使用)のPE1.2号は120g、ベイトは150gとすることもあります。(スピニングよりも少し重く)

私のタックルはスピニング、ベイトともに200gまで使えますが、年に1回ぐらいは200gの出番が少しあります、ほとんど周りの人も釣りにならない状態ですが)

タイラバのカラーは、オレンジや赤などシルエットがはっきりしているものが実績があります。

黒も試してみましたが、効果がありました。

チャート系などの色や薄い色はなぜか食いが悪いことが多く、何度か検証しましたが、やはり定番のオレンジや赤などのカラーには及びませんでした。

ネクタイは赤、スカートはピンク、ヘッドはオレンジか赤が一番釣れます。

フックセッティングは普通のタイラバと同じで良いですが、ジャンプパーツを使ったトリプルフックシステムは、状況により根がかりが多発します。

したがって、場合によっては、2本針にして、フッ素加工の針を使ったりします。

フッ素加工の針を使うことにより、口が大きく、よくヒットするソイ類に加え、ショートバイトの多発するエゾメバルなどのヒット率も上がります。

この際、フックにダイワの紅牙フレアリーフなどのアジング用の小型ワームを付けると、スカート及びネクタイとフックが同調し、ヒット率が上がります。

特に、緑のワームを付けるとより多くの魚(主にエゾメバル)がヒットします。

フックにワームのセッティングは過去に釣り仲間の船で検証した際、付けていない仲間の釣果に対して、付けた私の釣果は倍以上のものでした。(スピニングタックルだったのも一因かもしれませんが)フックに何もないよりは、エサ玉でも魚皮でもついていた方がいいと思います。(エゾメバルは、緑の東北メバルサビキなどを使うとものすごく釣れます。)

親針に太いワームを付けてエビラバ状態にする人もおり、これでも釣れますが、タイラバのバランス的には状況によってはちょっと使い辛いかなと思います。

その場合は、ネクタイを外して使うのが一番です。

セブンストレーラーを使う時もこのセッティングが一番です。

臭いけど北海道では特効のワーム、よーけ釣れます。
セブンストレーラーはエゾメバルへの反応も良いです。

過去に長崎の島原半島の先端の加津佐漁港から出ている久真丸さんに通っていた頃に生きたエビをタイラバに付けて冬の活性の低い真鯛を釣る方法を教えてもらい、この親針にワームは活性の低い魚にも有効なのかなと思っています。

加津佐漁港沖の天草と島原半島の間の海域は非常に潮流の流れが速くかつ底の根も急峻で非常に根掛かりが多い場所ですが、ここの鯛やアラカブ(カサゴ)は身が締まっていて美味しいです。

ここの一番深い所(水深150m)でスピニングタイラバで5キロの真鯛をかけた時が今でも一番スリリングで印象深い思い出です。

ここでも私のスピニングタックルのスタイルの構築に役立つことを多く学ぶことができました。

最後に北海道のソイ類は水温が一桁前半になると食いが渋くなります。(沖でサクラマスが釣れる頃は、水温が極端に低く食いが渋い)

例年の実績としては、1月中旬頃に水温低下が来て、タイラバにほとんど反応せず、エサ釣りの仕掛けを底ベタに置いたままが効果的な方法でした。

別の年では、積丹半島で2月にタイラバをしたところやはり水温が低く(水温1度、外気温マイナス14度、ステラの内部が凍って破損)、ソイが釣れたのは潮が変わって水温が上がってからでした。

本州や九州の冬のタイラバパターンのイメージを覆すぐらいインパクトがあるのが北海道の冬のタイラバですが、前述したように1月初旬までは普通に釣れると思います。

特に、12月末頃は50センチ前後のソイがタイラバによくヒットしたので、年内のタイラバは問題ないと思いますので、どうしてもやりたい人は防寒の処置をして臨まれた方がいいと思います。

寒くても釣れるから通いたくなる北海道のタイラバです。

本当にびっくりするぐらい釣れますので、ぜひともお勧めです。

千歳空港から30分の苫小牧の勇払マリーナのタマリスクさんがポイントを熟知しており、必ず釣らせてくれるのでお勧めです。

タマリスク→  http://tamaturi.com/

次は、北海道の釣りでも独特で非常に人気のあるボートロックタイラバを紹介します。