1 この記事の概要について

南房総の渡辺丸さんでのベニアコウの釣行記事です。

 当日は、鴨川沖でベニアコウを水深約800m~900mのポイントで狙いました。

2 使用したタックルについて

 【ベニアコウ用】

 〇 竿:アリゲーター 紅スカーフ2100

 〇 リール:ミヤマエ コマンドZ30

 〇 道糸:PE12号2000m、リーダー:ナイロン50号6m

 〇 錘:600~700号

 〇 仕掛け:幹糸40号3m、ハリス30号1.2mの10本鈎(タコベイトはケイムラ、サクラエビ夜光を使用、マシュマロボールLを2個鈎の傍に装着)

ベテランの常連さんからここ数年はケイムラかピンクしか釣れていないとのことで色を絞っています。(マシュマロボールは浮力調整用)

3 釣行当日の状況について

 4月17日、南房総の渡辺丸(https://watanabemaru.jp/)さんに久しぶりにベニアコウダイ狙いで行きました。

 当日は、前日の台風通過によるうねりが残っているため、出港時間を少しずらして6時頃に出港となりました。

 港に入り口はうねりが酷かったですが、外洋に出ていくにつれ、波も治まってきました。

 30分程走ってからメヌケのポイントでお土産を調達する予定でしたが、クロシビカマスの猛攻が酷く、結局、お土産が全く釣れず、早めに見切りを付けてベニアコウのポイントに移動しました。

コマンドZ30でメヌケ釣り(赤い魚達)をする場合、デッドスローなら1か2ぐらいが最適(Z9に比べかなり巻くのが速いため)

 ポイントに到着後、潮があまり動いていないため、船で仕掛けを引っ張っていく方法でやっていると、右隣の常連さんに当たりが、回収の合図と同時に上げてくると、良型のベニアコウが釣れ、非常に羨ましかったです。

 この魚を皮切りにミヨシの常連さんにヒットし、また右隣りの艫の常連さんにヒットし、胴の間にいた私ともう一人の常連さんにはヒットせずでした。

 当たりがあっても、トウジンやイバラヒゲ、ホラアナゴ等のいわゆる黒い魚達ばかりでした。

 今回の流し方としては、船で引っ張るようにしていましたが、単に糸ふけを回収して仕掛けを固定していると仕掛けが吹きあがってしまうようで、少し糸を出しつつ、船で引っ張ってもらうような微調整が必要でした。

 いろいろと当たりを出そうと四苦八苦していると、潮の流れがミヨシ側から艫側になり、回収の合図で巻き上げると、何やら非常に重たい魚の感触が。

 緊張しつつ、期待を込めて上げてくると、右隣の人にベニアコウがまたヒットしており、そのためオマツリしてしまいました。

 私の左隣の常連さんも巻き込んでのもので、魚がかかっているのに止めると中層でサメにやられる不安を抱きつつ、自分の目の前で仕掛けが横切っているため、竿を上方に上げて、他の人が解いているのを待っていると、突然ふっと軽くなり、案の定サメにやられました。(船長曰くかかっていた魚は、恐らく大型のベニアコウ)

 自分の魚を取り込んだ後に、他の人に魚がかかっているのがわかっているならば、すぐに自分の仕掛けを切れば良いのにと少し思いました。(既に何匹も釣っているなら、他の人に気を遣うべきなのでは?と感じました。)

 サメの不安があるのはわかっていたので、サメ避けの器具の海園を投入すべきかと思っていましたが、下手に高切れすると海園までなくすため、とんでもない損失になりそうで止めました。(海園は1個約1万円ちょっとします。)

サメ避けの「海園」、水中ライトを付けている時に昔クロシビカマスに高切れされ痛い目に遭いました。

 160mの高切れを起こし、乗船料の半分くらい(1万円強)の仕掛の損失が発生し、最悪だと思いつつ、予備の仕掛けを出して続行していると、またしても回収で魚の重さが感じられました。

 慎重にやっていてオマツリ、サメに切られるという結末になってしまった教訓を踏まえ、前回の速度「12」から「14」に速度を上げて巻き上げました。

 仕掛けが上がりきって、糸を手繰っていくと、ベニアコウなら通常斜めに糸が出て行く(浮袋が膨らむため)ところ、真下のままで気落ちしつつ、手繰っていくと下の方から白い魚体がやがてオレンジになり、良型のベニアコウが上がってきました。

釣れないと思っていた時の奇跡の1匹(目が飛び出ていないため非常にきれいです。)

 4キロ程の中型サイズでしたが、魚をサメにやられた後だけに、非常に嬉しかったです。

 その次の流しでは、非常に根が荒いポイントでやっていたためか、私と常連さんが根掛かりし、切るのが非常に大変でした。(糸が1000m以上も出ている状態での根掛かりを切るのはラインブレーカー(棒状の物)なしでは不可能)

 錘が切れて仕掛けが上がってきたものの、700号の錘は1個が4000円程するので非常にお財布に痛かったです。

 ちなみに、700号の錘は、既製品がとても少ないこともあり、通常は600号の錘に100号の錘を黒のビニールテープでグルグル巻きにして作ります。

 特に、私が使っているスカリーの600号は売っている店が少なく、ロストすると調達が大変です。

 今回は、釣り座的には艫とミヨシが良かったみたいですが、時折胴の間が非常にいい時もあります。

 しかし、何にせよ1000m近く先の仕掛けの動きをイメージする必要があるので、非常に難しいです。

 今回は、水深を基準に出ているラインの量を元に角度を計算しつつ、仕掛けの置場所を計算していましたが、やはり100m以上糸が出ると非常に角度が浅くなり、仕掛けが海底スレスレになるためか、黒い外道達がヒットしたり、根掛かりが発生してしまいました。

 今回は中錘を80号の物を使用し、ヨリトリリングとチェーンを2連結でしていたので、実質100号以上の中錘の状態でした。

 糸が出て角度が浅くなるようだったら、中錘を軽い物に変更し、かつヨリトリリング以外の余分な物を付けないようにした方が良いのではないかと感じました。

 今回は苦い思いもしましたが、結果的にベニアコウが釣れ、常連さんからいろいろとベニアコウ釣りについていろいろと教えていただけたので非常に有意義な釣行となりました。

 この釣りは、基本的にレンタルタックルがなく、かつ道具も揃えると数十万円かかり、かつ乗船料と道具代も高い釣りですが、ベニアコウだけでなく、超大型の深海魚のアブラボウズも釣れます。(鴨川沖では、50キロ以上の個体が多いそうです。) 

 いきなりベニアコウはかなり無理があるので、もし深海釣りを始めるならまずはやはり数が釣れるキンメダイ釣りがお勧めです。(レンタルタックルも完備している船宿も多いので(乗船料含めたら3万円超となりますが・・・))