この釣りの特徴は、何といってもイクラを持ったサケが釣れるというところです。

サケは本州や九州の人には釣物としてなじみがない魚ですが、北海道では夏の終わりから初冬にかけて海岸はサケを求める釣り人で埋め尽くされます。

岸からのサケ釣りは非常にマナーが悪くトラブルも多いので、私個人としてはやらないように注意喚起をしたいところです。(北海道の人と行く以外は、本当に危ないので)

毎年密漁が横行し、魚や道具の盗難、漁港での漁具や船舶の汚損、破損等の発生、傷害事件等いろいろとトラブルになっているのが岸からのサケ釣りです。

その他にも、海岸をわが物顔で占拠する投げ釣り師(竿を10本 (平均4本出し) 出して他の釣り人が釣りができないようにしている輩もいます)や海岸にその期間だけブルーシートの小屋を作って不法占拠する輩など世紀末のような状態になっている所も多いです。

そのような釣りに嫌気がさして、また簡単にサケが釣れることから、船のサケ釣りは非常に人気があります。

道具立てとしては、サケが1匹5キロ程なので、それが3本針の胴突き仕掛けにまとめてかかると大変なので、かなり強い竿が使われます。錘も250号の錘を使うため、本州や九州で売られているクエ竿などがお勧めです。

ただ、負荷の面だけを見るとクエ竿でも良いですが、ミヨシに釣り座がなった場合、竿が短いと足場が悪く、誘い等がし辛くなります。

そのため、北海道用で売っているダイワのディープゾーンやシマノのディープゲームなどの150号~200号で、長さが2.1m以上のものがお勧めです。

これらの竿は本州での取り扱いが少ないため、北海道の釣具店の方が取り扱いが多く、購入が容易です。(店員さんも詳しいので)

また、この釣りでは、サケがヒットすると電動を高速巻き上げして強引に上げてこないと船の全員を巻き込んでのオマツリが発生します。

そのため、掛かったら全開で巻き上げるというのがルールとなっています。

すごいのがみんなこれを認識されているので、オマツリがほとんどないことです。

リールはシマノやダイワの500番サイズが必須です。ダイワの300番サイズでする人もいますが、前述したようにサケがたくさん掛かるので当然負荷がかかりすぎるのでリールにはよくありませんし、オマツリの原因にもなりうるので、タックル選定の中で特にリールには気を遣う必要があります。

道糸はPE5号~6号が推奨ですが、潮切りを考えて4号も使用できます。

なお、細い糸(PE3号以下)のメリットはこの釣りではありません。

この釣りでは底付近で仕掛けを置いておき、根掛かりしないようにだけ気を付けます。(マメな底立ちや誘いも重要)

ただ、激しい誘いは逆効果なので、ひたすらサケがやってくるのを待ちます。

サケが来たことは船長がアナウンスで知らせてくれますので、このアナウンスが来るとすぐに誰かしらかの竿が曲がります。

サケが来ると船の中でヒットが発生し、良い時は全員の竿が曲がり、仕掛けにダブル、トリプルということもあります。

仕掛けはウトロのサケ仕掛けという名前が付いて釣具屋さんで売っています。

大体2500円ぐらいです。

特徴として、毛鉤の胴付きの3本仕掛けとなっていることです。

エサはソウダガツオの切り身をサイコロのように四角になるべく小さくして付けるのが良いそうです。

釣り仲間の話では、仕掛けに夜光玉を付けると良くないことがあるらしく、状況により仕掛けを変える必要もあるとのことです。

ここ数年はあまり良くないらしいですが、今後はまた良くなっていって欲しいと感じます。

北海道でサケを釣りたいなら他には太平洋の大津沖がありますが、こちらは中層でサケの回遊を待つため、仕掛けの針の本数が多く、棚取りもシビアなため難しいです。

しかし、サケは非常に脂の乗った個体が多いのでこちらも捨てがたいです。

なお、ウトロ沖のサケは苫小牧や積丹半島のサクラマスと同じくライセンス制で10匹までしか確保できません。(ウトロは乗船時に乗船料に1000円を加えた金額を徴収されます。)

本州や九州では体験できないサケの数釣り、世界遺産の知床の景色を見ながらの釣りは本当に気持ちよく、釣れたサケも美味しいので最高にお勧めの釣りです。

知床半島と監視船、この釣りはこの監視船との戦いでもあります。遊漁船に乗ればその意味が分かります。
メス4匹分のイクラ、およそ約4キロでした。大型のメスが釣れたのでラッキーでした。