今回は、特にレバーブレーキのデメリット、使うべき状況等について、細部について詳しく紹介します。

【レバーブレーキのデメリットについて】

 まず、レバーブレーキを新たな釣法として、たくさん釣れると思っている方は多いと思いますが、はっきり言ってその釣法にわざわざタックルを揃える程のメリットはありません。

 これは、バーティカルのスピニングタイラバと合わせて相当数を釣ってきた結果わかったことです。

 レバーブレーキのスピニングタックルでないと、フォールで食わせられないかというとこれ自体が誤りです。

 実際にバーティカルのスピニングタイラバをメインでずっとやっていますが、意外とフリーフォールで食うことが多いです。

 特に、北海道の黒ソイやアイナメ、ブリ等は特に頻度が高いです。

巻き上げでもフォールでも反応の良いアイナメ
特に大型の黒ソイはフォールでのヒットが多い
エゾメバルも巻き上げ及びフォールのどちらの反応も良いです。
ブリはレバーブレーキのフォールだけでなく、フリーフォールでも良くヒットします。

 また、真鯛においては、レバーブレーキを使用した場合、チャリコサイズ(手のひらより少し大きいぐらい)が多い時は、レバーのフォールではまず釣れません。

東京湾に多い塩焼きサイズとはレバーブレーキは相性が悪い

 理由としては、考えられるのが、ヘッドのサイズがどうこうではなくて、魚の口が小さいこととレバーブレーキを使用したフォール時の微妙な振動などで食う時に違和感があるのではと考えています。

 よくこの釣り方を知らない人が勘違いしているのですが、ベイトリールのようなフォールができるといっても、それはベイトリールのフォールの精度が1とする、レバーブレーキのフォール精度は、0.7ぐらいしかありません。

 そこにハンドルがバランサーの付いていないシングルハンドルというマイナス条件が追加されると、精度が概ね0.4ぐらいに低下します。

 それぐらい人の手で、レバーブレーキを使用して操作するのは難しいということです。

 ここにさらにタイラバの形状等の要因が加わると、更に精度が落ちることも多いです。

 個人的な感覚ですが、実際にこの釣りの第一人者として、相当数の魚を釣り、データも取って分析しているので、間違いはないかと思います。

 また、バイターボを使うともっとこの精度が低下します。理由は何度も紹介しているようにブレーキが効きすぎるためです。

レバーブレーキの性能を除けば既存のLBDリールの中では最高のリール「18トーナメントISO3000LBD」

 レバーブレーキのタックルのメリットとデメリットは過去の記事やレジャーフィッシングさんの釣りぽでも詳しく紹介しているのでそれを参照されてください。

【レバーブレーキを使うべき状況について】

 ドテラで使う分には、問題はないと思いますが、それでも精度はベイトに比べて落ちます。(ダブルハンドルなどへの交換は必須です。)

 バーティカルのスピニングタイラバなら前述したように特に精度は落ちます。

 何度も言いますが、小型が多いフィールドでは、効果が薄いです。

レバーブレーキのタイラバでは概ね2キロ以上(50センチ以上)が多く釣れる海域が適正です。

 また、主なベイトが甲殻類などの小動物が多く、イワシが少ない地域でもダメです。

 このような場所では、当初レバーブレーキを使用してフォールをしていて当たりがなかったため、フリーフォールに切り替えると突然ヒットすることも多かったです。

 上記の事柄から使える条件としては、ある程度潮が効いていて、中型以上の真鯛がいる等の条件が揃わない限り、レバーブレーキを使ったスピニングタックルは効果を最大限に発揮できません。

 レバーブレーキを使用したスピニングタイラバが一番効果を発揮したのは北海道のタイラバですが、こちらのタックルセッティングについて簡単に紹介します。

 北海道では、基本的にはトレーラワームを使用したセッティングが年間を通じて効果を発揮します。

卵が有毒なナガヅカ、身は非常に美味しい、北海道ではおなじみの外道

 その理由は、北海道の魚はほとんど大型の根魚ばかりで、チャリコサイズの真鯛より大きく、口が大きく、捕食方法が異なるためです。

北海道では美味しい外道の1種、トウベツカジカ
見てくれは悪いが美味しいカサゴの仲間のマカジカ

 なお、北海道のタイラバについては、詳しく知りたい方はそちらを参照してください。

北海道の平均的な釣果の一部、この写真の中の最大の黒ソイは47センチ

 実際にトレーラーワームを使うと浮力が高いので、レバーブレーキを使用したフォールとの相性がよく、ゆっくりフォールで誘うことができ、特に黒ソイなどに効果的で多くの実績があります。(黒ソイは特にゆっくり落ちてくるエサに興味を示すので、エサ釣りの人のハリスは1m程と長いです。)

 その他に、イワシ真鯛(50センチ以上)もトレーラーワームへの反応がよく、このレバーブレーキを使用したフォールでよく釣れます。

おススメはガルプのセブンストレーラやエコギアのエコギアアクア

 現在の段階では、レバーブレーキを使用したスピニングタイラバのベストのセッティングは、このトレーラワームを使用したり、水の抵抗があるスカートやネクタイのセッティングが一番相性が良いと思います。

【結言】

 新しい釣法と聞くと多くの釣り人が反応しますが、少し前から流行りだしたスピニングタイラバを使ったディープドテラ等は10年以上からありましたし、電動タイラバもそれぐらいからありました。

 私のバーティカルのスピニングタイラバは、このディープドテラもずっとやって検証してきたものなので、スピニングタイラバのタックルのセッティングとしてはすでに完成さされて久しいものとなっています。

 最近はネタがないから昔からあるものに、名前を付けて流行らせようというものが多いですが、釣り方ができた背景や経緯についても紹介しているメーカーや雑誌が少ないと感じています。(レジャーフィッシングさんの釣具の来歴などは秀逸な記事です。)

 レバーブレーキのスピニングタイラバにせよ、私がタイラバに取り入れるようになる前からひとつテンヤで使う人もいました。(その頃のLBリールは、完全な磯釣り用みたいな作りでした。)

 特に、レバーブレーキを使用した釣り方で感じたのは、「提唱します」と言う人達の中で、なぜその釣り方が釣れるのかを説明できていない人が多くいることに疑問に感じています。

 自らが好きで作り出し、提唱するならばその釣り方のメリットやデメリット、釣れるための方法などをしっかりと説明できるはずですが、それができていないのが不思議です。

 動画を公開して単に釣っている姿を見せるだけでは、何ら他の人のメリットにもなっていませんし、製品のPR動画にしかすぎません。

 何度もこの釣り方について紹介していますが、この釣り方は面白いですが、道具も高く、使用する条件も限られてくるので、そのメリットとデメリットを理解してもらってから、タックルを揃えていただき、楽しんでもらいたいと思っています。

 無理に新しい釣りをするのではなく、自分の楽しめる釣り方を考えていくのも、釣りの楽しみだとも考えています