1 記事の概要

  レバーブレーキのスピニングタイラバについて、魚種毎のフォールの使い分けについて紹介しています。

  この釣りの第一人者として、今までに日本各地で多くの魚を釣ってきた実績とそのデータに基づいて紹介しています。

2 序 論

 レバーブレーキのスピニングタイラバのフォールの使い分けについて紹介します。

 よく勘違いされているのは、魚種毎にフォールを変えて巻き上げと組み合わせるのではなく、ただ単にレバーブレーキを使ったフォールのみで食わせると思われていることです。

 結論から言うと、レバーブレーキのフォールはどの魚に対しても一様にただ落とせば良いというわけではありません。(メーカーはやっとダブルハンドルの重要性についても気が付いてきたようですが)

 単純にレバーの逆転でただ落とすだけでフォールでのヒット率を上げるとか虫の良い話なんてありません。

 ぶっちゃけ、そんなフォールならベイトでもできるし、魚の追うスピードなんて人間が想像しているよりも速いので、バーティカルのスピニングタイラバのフリーフォールでもヒットしますし。

 まぐれ当たりを求めるために、このレバーブレーキのスピニングタイラバのタックルを購入するのは非常に無駄な出費だと思います。

 この釣り方の前提として、いつも記事でタックル(特に、リールのハンドルはダブルハンドル)が重要と説明しているように、タックルが完璧であって魚種ごとに合わせたフォールを組み合わせることで釣果を出すことができます。(シングルハンドルでぐるぐる回しているのは問題外→例えば、鏡牙のレバーフォールの動画(メーカーの動画としては、あまりにもいい加減で、内容が酷いので名指ししてます。))

まぁ、鏡牙の動画も私がソルトワールドさんの読者投稿記事でレバーブレーキのスピニングタイラバを紹介させてもらった後に、そしてシマノのイカ先生がレバーブレーキの太刀魚ジギングを紹介した後にYouTubeで流したという事実がありますが。

3 魚種ごとにフォールの使い分けをする理由等について

 まず、レバーブレーキのフォールでなければ食わない状況はほとんどありません。

 はっきり言ってしまうと、真鯛は条件さえ揃えば、私が推奨しているタックルでないシングルハンドル等のバランスが悪いタックルでも釣れます。(鏡牙の動画のようなシングルハンドルでぐるぐる回していても)

 また、普通のバーティカルのスピニングタイラバにおけるフリーフォールでも食います。

 バーティカルのスピニングタイラバを始めて15年程になりますが、何度も真鯛がフリーフォールで食ってきたのを経験しています。

 ブリに関しては、かなりの本数をこのバーティカルのスピニングタイラバのフリーフォールで釣っています。

 そのため、本州や九州の真鯛やブリに関しては、別にこのレバーブレーキのスピニングタイラバは特に必要はないと思っています。(むしろベイトの方が釣れる。)

 もちろん、真鯛に関しては、ある状況下ではレバーブレーキのスピニングタイラバが非常に有効になる時はあります。

 意外なことに根魚のオニカサゴにはこのレバーブレーキのスピニングタイラバが有効です。

オニカサゴにはチャート系や緑系のタイラバが特に有効

 では、なぜレバーブレーキのスピニングタイラバが必要なのかについて下記で紹介します。

 「魚種ごとにフォールの使い分け」をするということは、真鯛やブリ以外にレバーブレーキのスピニングタイラバのフォールでなければ釣り辛い魚がいるということです。

 私がこの釣り方を始めた当初は、今のメーカーの人達のようにフォールでのヒット率も上げたいと考えていましたが、実際やってみると別にレバーでなくてもいいやと思いました。(単に、ベールを返す手間がないのが楽だとは思っていましたが)

 実際、ハイギアしかない時代にもこのフォールでのヒットを探求していましたがどうしてもハンドルの逆転にムラがあり、かつハイギアでは安定した巻き上げがし辛く、かつ良型のブリを掛けた日には大変な目に遭ってました。

 北海道に行って、北海道のタイラバを広める過程において、どうしてもこのフォールでしか大型が出せないという状況によく遭遇しました。(なぜかベイトでは釣れない)

 この魚の代表例が、北海道のエゾメバルをはじめとするメバル類やソイ類のクロソイ等です。

レバーブレーキのスピニングタイラバでなければ大型を引き出すのが難しいことも多いクロソイ
釣れる時は簡単、釣れない時は難しいエゾメバル
クロソイと同じぐらいレバーブレーキのスピニングタイラバの精度が必要な「ヤナギノマイ」
本州の白メバルにもレバーブレーキのスピニングタイラバは有効
本州の沖メバルも白メバル同様の釣り方で釣れます。

 私のレバーブレーキのスピニングタイラバは九州である程度理論を確立させた後、このレバーブレーキのスピニングタイラバでなければ釣り辛い北海道のエゾメバルやクロソイでかなりの数を釣ってテストし、完成させています。

 その他にも、カレイの仲間で回遊魚並みに泳ぐ宗八ガレイやマダラ、アイナメなどでもそれらの釣り方についても確立しています。

レバーブレーキのスピニングタイラバで釣ったアイナメ
レバーブレーキのスピニングタイラバで釣れた宗八ガレイ
マダラ
底付近にいるマゾイもレバーブレーキのスピニングタイラバが有効(根掛かりに注意)
一番おいしいソイの仲間「シマゾイ」ただし、なかなか釣れない。

 北海道でこの釣りをやっている間も、九州の真鯛でテストしてこの食わせ方等が正しいか等を検証しています。(釣り方の精度を上げるため)

チャリコサイズ以上にはこの釣り方は向きます。
塩焼きサイズのチャリコにはコツが必要

 現在は九州や北海道だけでなく、静岡や東京湾、福島等でもこの釣りをやっています。

 また、それぞれの魚種にあったフォールが必要ということは、実際に相当数の数を釣って、その魚がどういう食い方をするのかを知らねばなりません。

 これはルアーではなく、エサ釣りでどう魚がヒットするかも知らなければなりません。

そのため、レバーブレーキのスピニングタイラバの最大限に活用するには、それぞれの魚の特性に応じたフォール(レバーブレーキのフォールとバーティカルのスピニングタイラバのフリーフォール)と巻き上げのコンビネーションやある棚でのタイラバを保持した状態からのフォール、タイラバを保持する棚のキープと船の流れ方を適切に組み合わせたりする等といろいろなことをその日の状況で考えて合わせていかなければなりません。(当たり前のことですが、これが一番ハードルが高い)

 最近勝手に私の記事等を引用する方もいるため、この魚種ごとにフォールの組み合わせ等が異なることを紹介していませんでした。(特に、まとめサイト)

実際に相当数釣っていないとこのレバーブレーキのスピニングタックルを使いこなせないため、あまり人にはおススメしない大きな理由の一つです。(経験がものを言うため)

 魚種ごとに異なるフォールの演出が必要ということは、それだけ精度が必要となるため、どうしてもタックルにお金を掛けなければなりません。

(特に、安いリールは使い辛く、ダブルハンドルの交換が必須のため)

 なお、細部タックルについては、過去の記事等を参照してください。

現在は予備リールとして使用、バイターボブレーキが使い辛いため。ただし、このバイターボブレーキの特性を利用した変則フォールという使い方もあります。)

 写真には18トーナメント磯を使っていますが、一番このリールのレバーブレーキは使い辛いのでお勧めしません。(何度も紹介していますが、バイターボブレーキはブレーキが効きすぎるため、フォールの速度調整が難しい、ただし、巻き取り能力は最高の性能です。)

 さらに、魚の特性を理解するためにそれだけの釣行回数が必要となります。

突き詰めれば、様々なジャンルのエサ釣の経験や知識も必要です。(タイラバしかしていない人には絶対に極められないし、なぜこの釣り方が専門的で、人におススメできないかという理由も理解できないでしょうし)

 しかし、掛けたお金の分だけ釣れるかというと、そこまでの釣果は見込めません。

 レバーブレーキのスピニングタイラバは使いこなせれば釣果は伸びますが、実際ベイトタックルと普通のバーティカルのスピニングタイラバのタックルを使い分けるだけで釣果は伸ばせるので、上記の理由等もあり、あえて私はこのレバーブレーキのスピニングタイラバをおススメしません。

 メーカーはネタ切れしているので何としてでもこの釣り方を流行らせて、関連商品を売りたいと思っているのでしょうが、この釣り方は上記で書いているように、非常にコスパが悪いです。

 昔から磯釣りをしていてこの釣り方をやるならばまだしも、新たに道具を集めて始める必要性はないです。

 私自身、何千匹もこの釣り方で釣ってきて、今では日本各地でこの釣り方で釣果を上げていますが、この釣り方を完成させるまでにかけてコストはとんでもないぐらいの額を使っています。

北海道のある日の釣果の一部(釣れる時は130匹以上釣ったことがあります。それぐらい釣らないとこのレバーブレーキのスピニングタイラバについては語れないと思っています。(それだけ難しいです。)